東京都は、保育士の賃金引き上げを支援する新たな補助金制度を創設する方針を固めた。2025年度からの実施を目指し、月額最大5万円の賃上げを補助する。保育士の処遇改善を通じて、深刻化する人材不足の解消と離職防止を図る。
補助金の概要と対象
新制度は、都内の認可保育所や認定こども園などを対象とし、保育士の基本給や手当を月額5万円以上引き上げた施設に対し、その増額分の一部を補助する。補助額は施設の規模や賃上げ実績に応じて変動する見込みで、詳細は今後詰められる。東京都は2024年度予算案に関連経費を計上する方針だ。
東京都の担当者は「保育士の賃金は全国平均と比べても低く、特に大都市部では生活費の高騰もあり、離職が後を絶たない。今回の補助金は、保育士の処遇を抜本的に改善し、質の高い保育を安定的に提供するための重要な施策だ」と説明している。
保育士不足の現状
東京都内の保育士の有効求人倍率は2023年度で3.5倍を超え、全職種平均の1.2倍を大きく上回る。慢性的な人手不足により、保育所の新設や定員拡大が困難になっている。また、保育士の平均給与は月額約30万円と、全産業平均の約36万円を下回っており、処遇改善が急務となっている。
国も2023年度から「保育士等処遇改善臨時特例事業」で月額最大1.2万円の賃上げを実施しているが、東京都はこれを上回る独自の上乗せ補助を行う。これにより、都内の保育士の平均給与を全国トップクラスに引き上げる目標だ。
業界の反応と今後の課題
保育業界からは歓迎の声が上がる一方、持続可能な財源確保や中小規模施設への配慮を求める意見もある。東京都は補助金の効果を検証しつつ、必要に応じて制度の見直しを行う方針。また、保育士の業務負担軽減やキャリアアップ支援など、総合的な人材確保策も併せて検討する。
東京都の新補助金制度は、2025年度からの施行を目指し、2024年中に詳細を固める。都は「保育の質向上と働きやすい環境整備を両立させ、子育てしやすい東京を実現する」としている。



