52歳の筆者はある日、突然胸がドキドキと激しく打つ感覚に襲われた。灼熱感を伴うその症状は、一過性だったものの強い不安を引き起こした。ストレスか更年期か、それとも心臓病か——。悩んだ末に訪れたのが「東京ハートリズムクリニック新宿」だ。同院の井上健司院長(順天堂大学医学部卒、循環器内科専門医)は、スピード診断で患者の不安を取り除くことで知られる。
検査で判明した真実:心臓は問題なし
問診の後、心電図やホルター心電図、血液検査など一連の検査が行われた。結果は「心臓自体には異常なし」。井上院長は、筆者の症状について「自律神経の乱れによって引き起こされる可能性が大きい」と説明した。自律神経は背骨に沿って走り心臓と直結しているため、乱れると動悸や不整脈様の症状を起こしやすいという。
女性に多い甲状腺疾患や貧血も原因に
井上院長はさらに、女性の場合、貧血や甲状腺機能亢進症、バセドウ病といった甲状腺疾患が動悸の原因となるケースが少なくないと指摘する。「血液検査でのスクリーニングが重要」とし、筆者も甲状腺ホルモン値のチェックを受けた。結果的に大きな病気は見つからなかったが、安心感からか胸の症状はその後ピタリと治まった。
働き盛りに潜む“フェイク症状”と本当の危険サイン
井上院長は「働き盛りの人が訴える胸の症状の多くは、実は心臓病ではないケースが多々ある」と語る。例えば「胸が痛い」という症状の中には、心臓病のふりをした“フェイク症状”が紛れ込んでいるという。一方で、見逃せない「本物の危険サイン」も存在するため、自己判断は禁物だ。次回は、循環器専門医が明かす「心臓病と勘違いしやすいフェイク症状」と「気をつけるべき危険サイン」について詳報する。



