タレントの大竹まことさん(77)が前立腺がんの手術を受けたことを公表した。早期発見の鍵とされるPSA検査の対象者や、治療法の選択肢について医師が解説する。
前立腺がんの主な治療法
手術では、現在はロボットを使うRARP(ロボット支援根治的前立腺全摘除術)が主流となっている。前立腺をすべて取り除く方法で、開腹手術に比べて出血が少なく、入院期間も短い。
放射線治療では、4週間ほど通院する方法が標準的だが、SBRT(体幹部定位放射線治療)の有効性も確認されている。SBRTはがんに多方向から高精度の放射線を集中させ、短期間でピンポイントに治療する先進的な方法で、1週間に数回の治療で終了する。このほか、前立腺がんに埋め込む小線源治療という方法もあり、手術と同等の効果が期待できる。
ホルモン療法と併用療法の進展
ホルモン療法(ADT)は、注射や飲み薬、または手術(去勢術)により、前立腺がんの増殖に関わる男性ホルモン(アンドロゲン)の産生や働きを抑える治療法が基本となる。近年は、ADTに新しいタイプの薬(ARPI:アンドロゲン受容体経路阻害薬)と抗がん剤(ドセタキセル)を組み合わせる併用療法も行われている。
ARPIは従来のホルモン療法よりも強力にがんの増殖を抑え、生存期間の延長に高い効果がある。日本も参加した最近の国際的な臨床試験では、悪性度が高く転移のある患者で、生存期間が60カ月以上に延びたことが報告されている。
限局型なら5年生存率100%
前立腺がんは、適切に管理すれば他のがんと比べて生存率が高い。国立研究開発法人国立がん研究センターによると、2018年に診断された5年相対生存率は95.7%に達している。
進行度別では、がんが前立腺内にとどまる限局型で100.0%、前立腺から外の周囲組織に広がった段階でも98.7%と非常に高い生存率を維持する。しかし、骨や他の臓器に遠隔転移すると55.9%に低下する。



