タレントの大竹まことさん(77)が、前立腺がんで手術を受けたことを公表した。頻尿などの症状があったため検査を受けたことが診断につながったという。本稿では、前立腺がんの症状や早期発見の可能性、診断方法や治療法について解説する。
男性のがんで最も多いがん
前立腺は、男性の骨盤(恥骨)の奥、膀胱のすぐ下にある臓器で、大きさはクルミほど。精液の一部である前立腺液を作り、精子が活動するのを助ける役割を持つ。
2022年の世界の統計によると、新たに前立腺がんと診断された人は147万人、亡くなった人は約40万人だった。国内では、2023年に新たに診断された数は約10万2000例で、男性の部位別がん罹患数において最も多い。
一方、2024年の国内の死亡数は1万4000人弱にとどまり、罹患数と比べて死亡数が比較的少ないのが大きな特徴だ。実際、多くの患者はがん以外の原因で亡くなるまで、がんとともに暮らしていくことができている。
前立腺がんと年齢
前立腺がんの罹患者数は50歳ごろから増え始め、80歳まで増加が続く。しかし、若ければならないわけではない。筆者が診た患者の中には、「45歳になったから」と受けた人間ドックでPSA高値を指摘され、前立腺がんと診断された例もある。
50歳未満のがんはまれとされているが、ゼロではない。リスク要因のある人は検査を考えてもよいかもしれない。
早期は自覚症状がないからこそ
前立腺がんは初期段階では自覚症状がほとんどない。進行すると、頻尿や排尿困難、血尿などの症状が現れることがある。大竹さんの場合、頻尿がきっかけで検査に至った。
早期発見の鍵となるのがPSA(前立腺特異抗原)検査だ。血液中のPSA値を測定することで、前立腺がんのリスクを評価できる。50歳以上の男性や、家族に前立腺がんの患者がいる人などは、定期的な検査が推奨される。
悪性度と治療法の関係
前立腺がんの悪性度は、グリソンスコアと呼ばれる指標で評価される。低悪性度の場合は経過観察(アクティブサーベイランス)が選択されることもある。高悪性度の場合は、手術や放射線療法、ホルモン療法などが検討される。
「限局型」なら5年生存率は100%
前立腺がんが前立腺内にとどまっている「限局型」の場合、5年生存率はほぼ100%とされる。早期発見・早期治療が極めて重要であり、PSA検査によるスクリーニングが有効とされている。
前立腺がんの治療で大切なこと
治療法の選択には、がんの進行度や悪性度、患者の年齢や全身状態、生活の質(QOL)への影響などを総合的に考慮する必要がある。手術後の尿失禁や勃起障害などの副作用についても、医師と十分に話し合うことが重要だ。



