アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症に対して、この2年で2つの新薬が使えるようになった。新薬を希望する場合、まずアミロイドβの蓄積を調べる検査を行う。現在はPET検査か髄液検査で実施し、蓄積が証明されれば新薬を使用できる。
新薬の種類と費用
新薬はどちらも点滴の薬で、2週間に1回のものと4週間に1回のものがある。2週間に1回のものは1時間の点滴、4週間に1回のものは30~45分の点滴だ。1年間にかかる費用はどちらも同じくらいで、薬としては高額だが、保険はきき、高額医療も適応される(1カ月で支払う料金の上限が設定される)。
副作用と対応
多くの人が心配する副作用については、MRIをとると脳の腫れや微小な出血が見られる場合があるが、症状が出るほどの方は非常に少ないことが分かっている。副作用に対応するため、定期的な診察と頻回のMRIを行う。
和歌山県橋本市民病院脳神経外科部長の大饗義仁氏は、自身の外来での事例を紹介した。70代の女性が物忘れ外来を受診し、初期のアルツハイマー型認知症と診断された。息子さんがインターネットで調べたことをきっかけに新薬を開始し、現在1年半、2週間に1回の点滴を続けている。認知機能検査では低下せず、今までの生活を維持できているという。
大饗氏は「新薬を続けることで、今までの生活をできるだけ維持できて、今まで楽しまれていた趣味のことも続けていける期待をもてる薬ということもできると思います」と述べている。



