俳優の大竹まことさん(77)が前立腺がんの手術を受けたことを公表した。早期発見のカギとなるのがPSA(前立腺特異抗原)検査だ。医師の見解を基に、検査の対象となるべき人や注意点をまとめる。
前立腺がんの特徴と兆候
前立腺がんは基本的には進行が緩やかな「おとなしい」がんである一方、悪性度が高く急速に進行するタイプも存在する。検査の目的はすべてのがんを見つけることではなく、命に関わるがんを早期に発見することにある。
悪性度の低いタイプは成長が遅く、前立腺の外に広がったり転移したりすることはほとんどない。一方、悪性度の高いタイプは早期に転移しやすいため、手術などの根治治療が必要となる。
早期には自覚症状がないことが多いが、がんが大きくなると尿が出にくい、頻尿、残尿感などの排尿障害や血尿が現れる。大竹さんも頻尿や尿の出にくさがあったとされ、検査がなければ診断は難しかったと考えられる。
PSA検査の有効性と注意点
前立腺がんの早期発見にはPSA(前立腺特異抗原)が有用だ。PSAは前立腺から作られるたんぱく質で、一般的に3ng/mLを超えると詳しい検査が検討される。特別な採血は不要で、多くの人間ドックに含まれており、会社のがん検診でオプションを選べば採血に追加するだけで済む。自費では約3000円だ。
ただし、PSA検査では治療が不要な悪性度の低い前立腺がんも発見してしまうデメリットも指摘されている。
検査を受けるべき年齢
日本泌尿器科学会は50歳以上の男性への検査を推奨しているが、明確な上限年齢は定めていない。有効性の根拠となった大規模研究では、検査の効果が実証されているのはおおむね69歳程度までで、それ以降は個々の健康状態に応じた判断が重視される。
米国の予防医学専門委員会も、55〜69歳ではメリットとデメリットを理解した上で個人の判断に委ねるとしているが、70歳以上では「PSA検査による前立腺がんスクリーニングを推奨しない」と明確にしている。



