果物や野菜に含まれるファイトケミカルは、大腸がんや乳がん、肺炎などの感染症に対して驚くべき防御力を発揮する。岐阜大学名誉教授で循環器専門医の湊口信也氏が、その効果と摂取の重要性を解説する。
ファイトケミカルとは何か
ファイトケミカルは、植物が紫外線や昆虫から身を守るために作り出す色素、香り、辛味、ネバネバなどの成分である。主な種類としてポリフェノール(フラボノイド系)、カロテノイド、含硫化合物があり、多くの果物野菜に含まれている。
ポリフェノール(フラボノイド系)
ブルーベリー、ブドウ、大豆、セロリ、パセリ、ピーマン、緑茶、カカオ、果実類、ブロッコリー、タマネギ、柑橘類の果皮などに多く含まれる。抗酸化作用、抗動脈硬化作用、糖尿病予防、肥満予防、骨粗鬆症予防、認知症予防などの効果が報告されている。
カロテノイド
ニンジン、カボチャ、トマト、ミカン、ホウレン草、スイカ、ブロッコリー、とうもろこし、桃などに含まれる。抗酸化作用、老化防止、免疫機能維持、血管系疾患予防、目の健康、骨密度維持、癌の予防、皮膚や粘膜の健康保持に役立つ。
含硫化合物
ダイコン、ワサビ、タマネギ、キャベツなどに含まれる。抗酸化作用、殺菌作用、血栓溶解作用、血液循環促進作用、食中毒予防、動脈硬化予防などの効果がある。
心血管病予防に効果的なファイトケミカル
多くの臨床試験や疫学研究により、ファイトケミカルが心血管病の予防や治療に有効であることが示されている。特に効果的な成分として、以下のものが挙げられる。
- ポリフェノール(フラボノイド系):ケルセチン、カテキン、アントシアニン。リンゴ、タマネギ、ベリーなどに含まれるケルセチンは血圧低下作用、内皮機能改善作用、悪玉コレステロール酸化抑制作用を持つ。
- カロテノイド:リコペン、ベータカロテン、ルテイン。
- グルコシノレート:スルフォラファン、インドール3カルビノール。
- サポニン、タンニンなど。
これらの成分は抗酸化作用、抗炎症作用、内膜細胞機能改善作用、脂質改善作用、血小板凝集抑制作用、血圧低下作用を有し、心血管系の健康維持に強く寄与する。
果物野菜摂取のコツ
湊口氏は、毎日の食事に果物や野菜を取り入れることで、がんや肺炎のリスクを下げられると述べている。特に、リンゴとタマネギは血圧ケアに効果的であり、血管を若々しく保つ「赤い食べ物」や病気に負けない体を作る「緑の野菜」を積極的に摂ることが推奨される。
ファイトケミカルの効果は、まだ明らかになっていない臓器保護作用の可能性もあり、今後の研究が期待される。



