米食品医薬品局(FDA)は26日、膵臓がんの新たな治療薬の米国内での販売を承認したと発表した。臨床試験(治験)では、この薬を服用した患者グループの生存期間が一般治療よりも約2倍に延びた。発見も治療も難しい、難治がんの代表格である膵臓がんの画期的な薬と期待されている。
対象は転移性の膵臓がん患者
薬は「ダラクソンラシブ(商品名Rasonque)」で、米レボリューション・メディシンズが開発した。対象は、すでに別の化学療法などを受けたことがある、転移性の膵臓がん患者。錠剤を1日1回服用する。
この薬は、膵臓がんの多くでみられる「KRAS」と呼ばれる遺伝子の変異をターゲットにした。変異によってがん細胞の増殖を促すたんぱく質が異常に活性化するが、そのはたらきを阻害する。この仕組みを利用した治療法は長年研究されてきたが、膵臓がんでの創薬は実現していなかった。
治験で生存期間の中央値が約2倍に
同社の発表や、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに投稿された論文によると、ダラクソンラシブの治験には膵臓がん患者約500人が参加。既存の抗がん剤投与などの一般的な治療を受けたグループと、ダラクソンラシブを投与されたグループを比較した。各グループの生存期間の中央値は、一般治療グループの6.7カ月に対し、ダラクソンラシブのグループは13.2カ月と約2倍だった。
膵臓がんは初期の症状がほとんど現れないため発見が難しく、進行してから診断されることが多い。米国外でも承認申請の動きがあり、今後の治療選択肢の拡大が期待されている。



