使用済み核燃料の乾式貯蔵、関電計画を3町長が了承 県外搬出の工程表履行が条件
乾式貯蔵を3町長了承、県外搬出の工程表履行が条件

関西電力の原子力発電所が立地する美浜、高浜、おおいの3町長は20日、敦賀市で県の武部衛副知事と面談し、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設について速やかな了承を求めた。美浜町長の戸嶋秀樹町長ら3町長は「安全性には合理性があり、滞りなく進める必要がある」「地元住民の安全安心の向上につながる」と述べ、口をそろえて早期の同意を要請した。

乾式貯蔵とは

乾式貯蔵は、使用済み核燃料を収めた「キャスク」と呼ばれる金属製の容器を鉄筋コンクリート製の建物内に置き、一時保管する方式。空気の自然循環で冷却するため、電力は不要だ。2011年3月の東京電力福島第一原発事故を機に注目されるようになった。事故では地震と津波で電源を失い、燃料プールの水循環が停止。水温上昇で水が蒸発し、燃料が破損して大量の放射性物質が放出される恐れがあったが、注水や復旧作業で最悪の事態は回避された。

福島第一原発には乾式貯蔵施設もあり、名古屋大教授で原子力工学が専門の山本章夫氏は事故後に現地を視察。「施設は津波で水没したが、キャスクには何の問題も起きなかった。相当に堅牢で、安全性は高い」と説明する。

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長期保管への懸念

一方で、長期間の保管が可能となる新施設に対し、立地側には懸念が残る。28日の県議会全員協議会では「出口が明確でないまま施設整備を先行させれば、乾式キャスクが県内に長期間残り続ける恐れがある」との指摘が出た。背景には、国が進める核燃料サイクル政策の停滞がある。使用済み核燃料の最終搬出先となる日本原燃の再処理工場(青森県六ヶ所村)は完成が27回延期され、現行目標の2026年度中の完成も不透明だ。

関電の乾式貯蔵施設は県外への搬出を円滑にする目的で建設されるが、そもそも搬出先の中間貯蔵施設の計画は具体化していない。関電は昨夏、乾式貯蔵施設に移す予定の使用済み核燃料について、約束通り2035年末までに県外へ搬出できなければ再びプールに戻すと説明。「当社としての確固たる決意を表した」とするが、県や立地町長からは「安全な乾式貯蔵からなぜ再びプールに戻すのか」「論外だ」と批判が相次いだ。

関電の説明と条件

関電は「乾式貯蔵施設に移し替えることで発生するプールの空きスペースは原則、使用しない」と強調する一方、県と立地町の理解が得られた場合に限り、災害時などの「例外」として使用できる余地も残す。四国電力は2025年7月から伊方原発(愛媛県伊方町)で乾式貯蔵施設の運用を開始し、原発敷地内での貯蔵容量を一時的に増やす目的を明確にしている。関電の説明にはわかりにくさがつきまとう。

今回、関電の計画を認めたことで、使用済み核燃料が県内に長くとどめ置かれる心配はないのかとの問いに対し、戸嶋町長は「そうした懸念の声があるのは事実。関電には、県外搬出を担保するロードマップ(工程表)を確実に履行していただくことが(了承の)条件だ」と答えた。

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