2026年5月にプレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3のうち、食生活部門第2位として、医師が「一見ヘルシーだがNG」と指摘するランチの定番メニューについての記事が再注目されている。医師の森豊氏(東京慈恵会医科大学客員教授)と松生恒夫氏(松生クリニック院長)は、著書『血糖値は「腸」で下がる』(青春出版社)の中で、昼食のそばや丼ものの落とし穴を詳しく解説している。
糖尿病治療の根幹は食事療法
糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の三大療法が基本である。この中で最も重要なのが食事療法だ。森氏は「食事療法に勝る薬はなし」と強調し、いくら薬で血糖値を下げても食事療法が守られなければ良好なコントロールはできないと述べている。糖尿病と診断され薬を服用している人でも、食事のとり方次第で薬いらずの状態に改善できる可能性があるという。
そばや丼ものの落とし穴
多くの人が「そばは体に良い」と思っているが、森氏は昼食をそばや丼もので手軽に済ませることを勧めない。そばは食物繊維を多く含み、白米やうどんより血糖値の上昇を抑えられるメリットがある。しかし、食べる量や食べ方に落とし穴があるという。特に「早食い」や「大食い」は血糖値スパイクを引き起こしやすい。また、丼ものは糖質と脂質の組み合わせが血糖値に悪影響を及ぼす。炒め物の油の適正量も重要で、油の使いすぎは血糖コントロールを乱す要因となる。
糖質+脂質の組み合わせが危険
森氏は「糖質+脂質」の組み合わせが血糖値にとってよくない理由を説明する。炭水化物(糖質)と油(脂質)を同時に摂ると、血糖値の上昇が持続しやすくなり、インスリン分泌が追いつかなくなる。例えば、野菜炒め定食は一見ヘルシーに見えるが、炒め油の量が多く、糖質(ご飯)と脂質の組み合わせが血糖値を急上昇させる。からあげ定食も同様で、揚げ物の脂質とご飯の糖質がダブルで血糖値を上げる。そのため、これらの定番メニューは「NG」とされている。
具体的な改善策
森氏は、昼食をそばや丼もので済ませる代わりに、食物繊維を多く含む野菜を先に食べる「ベジファースト」や、よく噛んでゆっくり食べることを推奨している。また、そばを食べる場合は、大盛りを避け、薬味や海苔を追加して食物繊維を補うと良いという。糖尿病の薬を減らしたい人は、昼食の内容を見直すことが第一歩となる。



