40年間の医師生活で2500人の最期を見届けた医学博士・長尾和宏氏は、セルフメディケーションの最重要項目に「歩くこと」を挙げる。1日7000歩程度がちょうどよく、少なめでも、ゆっくりでも、こまめに歩くことが万病の予防につながるという。
屋内のウォーキングマシンでも構わないが、理想は日光を浴びながら歩くこと。長尾氏は「歩きながら太陽に当たる」ことをしない限り、どんな健康法も無意味になると断言する。
紫外線はビタミンD生成に不可欠
太陽光に含まれる紫外線は、肌に悪いイメージがある一方、体内でビタミンDを生成するためにどうしても必要な働きを持つ。ビタミンDが不足すると、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるとされ、実際に患者は血中のビタミンD濃度が低い傾向がある。濃度は症状の重さとも関連し、保険診療で測定できる。
紫外線にはウイルスを不活化する作用もある。ノロウイルスのようなしぶといウイルスも存在するが、感染症対策として日光は重要な役割を果たす。ビタミンDには骨を丈夫にする効果も期待できる。
太陽光がセロトニンを生み、良質な睡眠につながる
その上で長尾氏は、紫外線は人体に絶対に必要なものだと強調。美容業界が紫外線のデメリットを強調してきた「刷り込み」に惑わされてはいけないと指摘し、日常生活の中で自然に太陽光を浴びるべきだと話す。
太陽光を浴びると、脳内で「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌される。セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの材料にもなり、朝から日中に多く分泌されると、夜にメラトニンが出やすくなる。
例えば朝7時に太陽の光を浴びれば、その15時間後の夜10時ごろにメラトニンが分泌され、自然と眠気が訪れる。朝の散歩は気持ちよさに加え、睡眠の質を高める効果ももたらすという。
長尾氏は「騙されたと思ってやってほしいこと」があると述べている。



