認知症の家族を支える心構え…有吉佐和子『恍惚の人』が問いかける介護の現実
認知症の家族を支える心構え…有吉佐和子『恍惚の人』が問いかける介護の現実

明治大学文学部教授の齋藤孝氏は、超高齢社会において介護は誰にとっても他人事ではないと指摘する。親やパートナーが介護を必要とする場面に備え、仕事や生活への影響に不安を感じる人も多い。今から50年以上前に、介護の現実を生々しく描いて社会に衝撃を与えたのが、有吉佐和子氏の小説『恍惚の人』である。

『恍惚の人』がもたらした社会的影響

同作は、認知症になった父親の介護に直面する家族の物語であり、当時はまだ表面化していなかった高齢者福祉の問題を世に知らしめ、空前の大ベストセラーとなった。この小説をきっかけに、家族による在宅介護の限界や公的支援の必要性が広く認知され、日本の福祉のあり方を変えた一冊と位置づけられている。

認知症介護の始まりと家族のショック

齋藤氏によれば、家族にとって認知症の介護は、「あんなに元気だった人が、なぜこんなことになったのか」というショックとともに始まる。本作では、父親のある一言で家族が異変に気づく場面が描かれている。

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本稿は有料会員限定記事であり、続きはプレジデントオンラインの有料会員登録により読むことができる。構成は塚田有香、撮影は川しまゆうこ、イラストレーションは米山夏子が担当した。

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