病児と家族を支えるこどもホスピス建設へ 札幌で協議会発足
病児と家族を支えるこどもホスピス建設へ 札幌で協議会

札幌市と石狩市で重度障害児向けデイサービスを運営するNPO法人「ソルウェイズ」の代表理事で薬剤師の運上佳江さん(45)が、新たに「こどもホスピス」の建設を目指し、3月に「さっぽろこどもホスピス推進協議会」を設立した。2028年の開設を目標に準備を進めている。

きっかけは2人の娘の育児

運上さんがソルウェイズを設立したのは、脳に重い障害のある2人の娘の育児がきっかけだった。働き続けたいと思っても、日中に娘を預けられる場所が少ないことに悩み、「なければ作ればいい」と、似た境遇のママ友たちと2017年、札幌市で重度障害児向けデイサービスを開所した。現在は施設が5か所に増え、事業は訪問看護や居宅介護にも広がっている。

こどもホスピスの必要性

こどもホスピスは、重度障害児のほか、自宅や病院での生活が長くなりがちな重い病気の子どもと家族が宿泊して息抜きできる施設だ。運上さんは、闘病中の子ども宅への訪問看護を通じてニーズを実感した。重度障害児には公的サービスの短期入所施設があるが、小児がんや難病の子ども向けの同様の施設は少ない。「病気の子どもにも外出する楽しみ、家族にも世話から離れて一息つく時間が必要」と訴える。

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自身の経験が原動力

運上さん自身の経験も、ホスピスの必要性を裏付ける。10年以上前、長女が入院した際、同じ病室に小児がんの女の子がいた。その母親は病床脇に仮設ベッドを置いて付き添い、つらい検査後にアイスクリームを食べる娘の姿を見守っていた。ある日、母親が「兄は受験なのに勉強せず困る。逆だったらよかったのに」と漏らした。運上さんは「本当に疲れているんだな」と悲しくなったという。自身も長期付き添い入院の経験から、「食事は院内コンビニのカップ麺、風呂にも入れず足の臭いが気になった。大部屋では泣くこともできなかった」と振り返る。

計画の目標と展望

推進協議会では、2028年の札幌市内での開設を目指し、看護師が常駐し、特に子どもを一手に担う母親が安心して利用できる施設を構想している。運上さんは「当事者の声が何より大切。これなら使いたいと思ってもらえるものを目指して、計画を前に進めたい」と語る。

運上さんは1980年、音更町生まれ。帯広柏葉高校から北海道医療大学に進学し、卒業後薬剤師に。趣味はドラッグストア巡りで、サプリメントの流行や安くて効果的な市販薬を探すのが好きだという。

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