SNSの仕組み巡り日本でも訴訟検討、子どもの悪影響で
SNSの仕組み巡り日本でも訴訟検討、子どもの悪影響で

SNSは子どもたちの人付き合いに欠かせない存在になっている一方で、悪影響も無視できないものになっており、SNSの仕組み自体を問題視し、訴訟を模索する動きが出てきた。

SNSの仕組みと子どもの現状

富山大学の山田正明准教授(内科医・社会医学)によると、SNSにはどの投稿をどの順番で表示するかを決めるアルゴリズム(計算手順)が働いている。ユーザーの不安や怒りなどの感情を起こしやすいコンテンツを見るように導き、それによって利用時間を増やす仕組みだという。

企業の目的はあくまで「ユーザーが自社のサービスを使い続けて、広告代金を稼ぐこと」。それが結果として、子どもたちの怒りの感情を高めたり不安をあおったりしており、怒りや不安が高まった人は、ますますSNSから離れられない状況になってしまっている、と山田准教授はみる。

日本での訴訟模索

「立候補年齢引き下げ訴訟」など、公共訴訟を手がける一般社団法人LEDGE代表理事の亀石倫子弁護士が解決の糸口を探っている。亀石弁護士は、米国の訴訟を参考に、通知機能や無限スクロールといったSNSの設計や仕組みそのものを争点に運営会社を相手取る訴訟を国内で検討中だ。ネット依存に詳しい医療者に話を聞くなどしている。

米国の陪審評決

米ロサンゼルスの州裁判所の陪審団は今年3月、Instagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)などの設計を巡り運営会社の責任を認めるとする評決を出した。

原告の女性は、幼少期からユーチューブの視聴やインスタグラム、TikTok(ティックトック)などを始め、うつ病などをわずらったという。

被告側は、子どもの不調の原因には、家庭環境や学校でのいじめ、個人の脆弱(ぜいじゃく)性の問題など他の要因があると反論した。しかし陪審団は、SNSが「唯一の原因」である必要はないとの基準のもと判断したという。

亀石弁護士は「SNSへの依存はもはや個人でコントロールできる問題ではなくなってきている。一刻も早く対策を打たなければいけない」と話している。