「ちゃんと恋愛してから結婚したい」がしんどい理由 ジェーン・スーが見た社会の呪縛
恋愛してから結婚したいがしんどい理由 ジェーン・スー

「ちゃんと恋愛してから結婚したい」。それがどうしてこんなにしんどいのだろう?

理想の恋愛と現実のギャップ

加えて、彼女の考える「ちゃんとした恋愛」は、自分に自信が持てない彼女を現時点より高みに上げて、肯定してくれるモノじゃなきゃいけない。同じしんどさを抱えた相手と、ともに歩いていく覚悟は、彼女にはないのだ。

彼女も彼も、顔の見えない世間が作った規範にがんじがらめになってる。男はこうあるべき、女はこうあるべきってやつだ。だって、そのほうが婚活には有利な気がするもの。好き同士が結ばれることをヨシとしながら、社会的承認を伴わないとバツを付けられる、世間のストライクゾーンに収まろうとする彼女と彼を誰が責められよう。

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こんがらがった心の塊

こんがらがった彼女の心の塊を、瞬時に解きほぐす手立てはない。少しずつ少しずつ、自分で気づいていくしかないだろう。いまはとにかく、疲れた心とカチコチになった体を休めてほしい。

「今日は、お高めのバスソルトを買いなさいよ」そう彼女に伝えると、不思議な顔をされた。入浴が問題を洗い流すわけではないことは、私もよくわかっている。でも、「ああ、いい香り」とか「あたたかくて気持ちいい」とか、明るい気持ちになる瞬間を作ることは、暴飲暴食よりずっと自分にやさしいよ。

今夜、彼女がバスタブのなかで、訳もわからずメソメソ泣けるといいな。まずはそこから。

なんのために生きているか

「なんのために生きてるのか、もうわかりません」大好きな人と別れたばかりの彼女が、憔悴しきった顔で絞り出すように言った。ここのところ揉めまくってると聞いていたし、さほど驚きはない。連絡が途絶えがちになったあたりから、彼女も十分覚悟していたはずだ。それでも、悲しくてやりきれなくなるのが失恋ってもんだ。

社会の呪縛から解放されるためには、自分自身と向き合い、少しずつ心をほぐしていくことが大切だ。まずは小さな自分へのご褒美から始めてみてはどうだろう。

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