48歳前後に幸福度のどん底、性格が鍵 30万人調査で判明
48歳前後に幸福度のどん底、性格が鍵 30万人調査

拓殖大学政経学部教授の佐藤一磨氏は、30万人を対象とした追跡調査の結果、人生で幸福度が最も低下する年齢は平均48.3歳であることを明らかにした。さらに、この「人生の谷」の深さは個人の性格特性に大きく左右されるという最新の知見を発表した。

幸福度のU字カーブと48.3歳の谷

ミッドライフクライシス(中年の危機)は、40代から50代にかけて「これまでの人生の選択は正しかったのか」「これからどう生きていけばいいのか」といった悩みや葛藤を抱える現象を指す。世界145カ国を対象とした研究では、幸福度が最低となる年齢が平均48.3歳であることが確認されている。日本に限ってみても、49~50歳頃に幸福度が最低となり、ほぼ同様の傾向を示す。幸福度はその後徐々に回復し、人生全体で見ると「U字型」の軌跡を描くことが多くの研究で示されている。

性格特性が決める谷の深さ

佐藤教授の研究は、中年期の幸福度の落差を生み出す要因として「性格」に着目した。心理学では、人の性格を「ビッグファイブ理論」と呼ばれる5つの特性で捉える。開放性(新しい経験への志向)、誠実性(計画性・責任感)、外向性(社交性)、協調性(他人への配慮)、神経症傾向(不安やストレスの感じやすさ)である。これらの特性と中年期の幸福度の関係を分析した結果、多くの人の予想を裏切る結果が得られた。

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「いい人」ほど苦しむ?協調性の高い人の落ち込み

最も苦しかったのは「性格のいい人」、すなわち協調性が高い人だった。協調性が高い人は他人への配慮を重視するため、職場や家庭での役割期待に応えようと努力する。しかし、40代は仕事の責任が増し、子育てや親の介護など家庭での負担もピークを迎える時期である。他人のために尽くす傾向が強いほど、これらのストレスが重なり、幸福度の低下が顕著になるという。逆に、神経症傾向が高い人、つまり「ストレスに弱い人」は、もともと不安を感じやすいため、中年期の変化に対するショックが相対的に小さく、落ち込みが緩やかであることが判明した。

好奇心旺盛な人は幸せになれるのか

開放性が高い人、すなわち好奇心旺盛な人は、新しい経験や趣味を通じてストレスを発散しやすく、中年期の幸福度低下を緩和できる可能性がある。しかし、研究では、開放性が高い人でも、周囲の期待に応えようとするあまり、かえって負担が増すケースも見られた。佐藤教授は「性格特性は単独で作用するのではなく、環境との相互作用が重要」と指摘する。

40代の危機を乗り越えるために

佐藤教授は、40代で幸せを失わないためには、自分の性格特性を理解し、無理のない生き方を模索することが重要だと述べている。「協調性が高い人は、他人のために尽くすことだけが自分の価値ではないと認識し、適度な自己主張を心がけることが有効です。また、好奇心を活かして新しい趣味や学習に取り組むことで、気分転換を図ることができます」とアドバイスする。さらに、周囲のサポートを得ることや、ストレス管理の技術を身につけることも効果的だとしている。

佐藤一磨氏は拓殖大学政経学部教授で、専門は労働経済学、応用計量経済学。30万人規模の追跡調査データを分析し、中年期の幸福度と性格の関係を明らかにした。

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