遺品整理19年の現場から「孤立死は誰にでも」特殊清掃員が語る予防策
遺品整理19年の現場から「孤立死は誰にでも」特殊清掃員が語る予防策

人が亡くなった後の部屋やゴミ屋敷を片づける遺品整理・特殊清掃の依頼が増えている。関西クリーンサービス代表で僧侶でもある亀澤範行氏は、この仕事を19年続けてきた。その現場で見えてきたのは、孤立が外から見えにくくなっている現実だ。

孤立死は誰にでも起こりうる

亀澤氏は「孤立・孤独死は誰にでも起こりうる」と指摘する。高齢の親だけでなく、自分自身のこととして対策を考える必要があるという。以下、現場の経験から得た4つの予防策を紹介する。

1. こまめに連絡を取る

連絡を取り合うことは孤立を防ぐ最も基本的な対策だ。電話でなくても、短いメッセージやLINEのスタンプ1個でも、無事であることを伝えられる。連絡の頻度は、万一倒れたり一人で亡くなっている場合の早期発見に直結する。

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実際に、週に1回実家に電話や訪問をしていた家族から特殊清掃の依頼を受けたケースがある。土曜日に母親に会ったが、日曜日に亡くなり、翌週の土曜日に発見された。1週間で腐敗がかなり進んでしまっていたという。連絡が途絶えないことが何より大切だと亀澤氏は強調する。

2. 小さな変化に気づく目を持つ

いつもと同じに見えても、よく見ると違う状況になっていることがある。例えば、いつも片づいていた部屋が散らかり始める、郵便受けに郵便物があふれている、ゴミを集積所に出していない、お風呂に入っていない――。こうした変化に気づくことが重要だ。

遠方に住んでいる場合でも、電話やメッセージのやりとりの中で気づけることがある。返信が遅くなった、言葉数が減った、愚痴や弱音が増えた――そういった変化を「最近忙しいのかな」で終わらせずに確認してほしいと亀澤氏は呼びかける。

3. 見守りサービスを活用する

物理的な距離がある場合や連絡を頻繁に取ることが難しい場合には、民間の見守りサービスを検討すべきだ。主なサービスには以下の種類がある。

  • センサー型:トイレや冷蔵庫、照明などにセンサーを設置し、一定時間動きが検知されなければ通知が届く。
  • 機器型:小型の端末を持ち歩き、ボタンを押すだけで安否を知らせる。転倒を自動で検知するものもある。
  • 訪問型/電話型:スタッフが定期的に訪問したり、電話で会話したりして安否を確認する。

人との会話が孤立予防にもなるという。

4. 地域とのつながりを持つ

挨拶をする、ゴミ出しのときに一言交わす――それだけでも異変に気づいてもらえる可能性が高くなる。近所づき合いが薄れた時代だからこそ、顔を知っている人を意識的に増やしておくことが大切だと亀澤氏は説く。

亀澤氏は僧侶の顔も持ち、翠緑山禅祥院住職をつとめている。遺品整理や特殊清掃の現場で多くの孤独死と向き合ってきた経験から、孤立死は誰にでも起こりうる問題であり、今日からできることを始めてほしいと訴えている。

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