年末調整で手取り逆転、収入665万円の崖 26年の基礎控除引き上げの課題
年末調整で手取り逆転、収入665万円の崖

高市早苗首相は5日の臨時国会の所信表明演説で、物価高対策として年末調整に触れ、「国民の皆さまに所得税の負担軽減もお届けします」と述べた。昨年10月の所信表明に加えて2年続けての言及で、近年の所得税改革のめまぐるしさを映している。

年末調整とは何か

年末調整とは、会社員らの勤め先が概算で毎月天引きしている税額を正しく計算しなおす手続きだ。

所得減税が2025年末ぎりぎりに決まり、26年の天引き額に反映されておらず、多くの人は税の納め過ぎの状態にある。反映すれば納税者1人あたり3万~6万円ほどの減税になると政府は説明する。

基礎控除引き上げの影響

影響が大きいのは幅広い人にあてはまる基礎控除の引き上げだ。控除とは税金を計算する際に差し引ける額で、これに自分の所得税率(5~45%)をかけあわせた額だけ、支払う税額を抑えられる。

給与収入665万円以下の人でみると、今年の年末調整で引ける額は104万円。この額は24年まで一律48万円で、25年が68万~95万円だった。中低所得者に大きな恩恵が及ぶ。

年収665万円の崖と今後の課題

大幅引き上げの一方で、課題もある。年収665万円を超えると崖から落ちるように、控除額が一気に37万円も減る。税負担が4万円弱増えて手取りが減り、年収が670万円ほどに達するまでは手取りで逆転してしまう。

控除額104万円のうち、恒久的な本則部分は62万円で、42万円は26~27年の2年間限りの特例的な引き上げとなる。その後は本則部分に戻り、負担増を招く。