国内外の大きな選挙では近年、外国勢力がSNSなどを通じて世論や投票行動に影響を与えようとする「認知戦」への警戒感が高まっている。政治的な対立が表面化する選挙は、認知戦を仕掛ける側にとって、すでにある不満や分断を利用しやすいとされる。沖縄県知事選(9月13日投開票)も狙われる可能性があるとみて、専門家は動向に注目するとともに、SNS利用者らに注意を呼びかけている。
「認知戦」とは何か
認知戦とは、ある国が他国の人々の思考や感情を揺さぶり、投票行動や意思決定に影響を与えようとする行為のこと。すでにSNSやネット上で広がっているナラティブ(物語)を利用してより拡散させる場合もあれば、偽情報やナラティブを自ら作って組織的に流す場合もある。
欧州の国政選挙などではロシアによるモルドバやルーマニアに対する認知戦が取りざたされたことがある。日本でも2025年7月の参院選や今年2月の衆院選などをめぐり、外国勢力による認知戦や影響工作の可能性を指摘する分析結果が、研究者や民間の分析機関から相次いで出された。今回の沖縄県知事選は国政選挙並みの大きな選挙であり、すでに気になる動きが出ている。
中国政府公式発言に似た内容のアカウント
沖縄県知事選とは一見すると別の話題だが、中国政府の公式発言とかなり似た内容を発信しながら、一定の「拡散力」を持ちはじめているアカウントが確認されている。例えば、X(旧ツイッター)で26年6月11日、あるアカウントが日本について、「専守防衛を守ると言いながら、現実は再軍備化へ暴走」などと投稿。国際社会が警戒を強めていると主張し、「『平和国家』の仮面を外した日本」とも記した。
ちょうどこの日、中国外務省が関連する発信を行っていた可能性があり、アカウントの内容が中国側の主張と一致している点が注目される。専門家は、こうしたアカウントが選挙期間中に偽情報や扇動的な投稿を拡散するリスクを指摘し、SNS利用者に対して情報の真偽を確認するよう注意を促している。



