米政権のICC制裁巡り、首相への「働きかけ」要求は無責任な暴論と批判
米政権のICC制裁巡り、首相への働きかけ要求は無責任な暴論と批判

国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長に対するトランプ米政権の制裁措置を巡り、リベラルメディアや野党が、9月に訪米予定の高市早苗首相に対して「米国への働きかけ」を強く求めている。これに対し、日米同盟の重要性を踏まえた冷徹な現実主義が必要だとの指摘が出ている。

朝日新聞社説への批判

朝日新聞は28日付朝刊の社説で、「9月にはニューヨークで国連総会が始まり、首相の訪米が想定される。一般討論演説で何を語るのか。トランプ氏との首脳会談が行われた場合、ICCの意義や重要性を伝え、翻意を促せるのか。これまでトランプ氏との親密な関係づくりを優先してきた首相の姿勢が問われる」と述べた。

しかし、ICCの解体まで目指すとしているトランプ大統領が「翻意」することは考えられず、単なる理想論を排し、国益を守るための現実主義が不可欠だとしている。

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安倍政権の外交バランス

安倍晋三元首相は、外交努力によって赤根氏をICCに送り出すと同時に、日米同盟を強化し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を打ち出した。国際法を重んじる姿勢と、同盟強化と多層的な有志国連携という現実の盾を両立させたこの高度な外交バランスこそ、現在の日本が踏襲すべき道であると指摘されている。

日本の平和と安全は、米国の「核の傘」をはじめとする強固な日米同盟によって守られている。ICCには、自らの判断を執行する実力組織を持たない。その現実を無視し、同盟国のトップとの直接対決を首相に迫る野党や一部メディアの姿勢は、国の存立基盤を危うくする「無責任な暴論」であると批判されている。

ICCの偏りへの懸念

静岡大学の楊海英教授が指摘する通り、ICCは中国によるウイグルや南モンゴルでの凄惨な人権弾圧について「管轄権がない」として沈黙を貫いている。権威主義国家の暴挙を見逃す一方で、地域的な偏りを見せるICCの判断のみを「法の支配」の絶対基準として妄信することは極めて危険だとしている。

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