沖縄県知事選(9月13日投開票)が27日に告示される。現職で3選を目指す玉城デニー氏(66)と新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)を軸に、新人で元郵政改革相の下地幹郎氏(65)が絡む構図になりそうだ。基地問題を巡って政府と対立を続けるのか、協調に転じるのか――。県民の関心が基地問題から目の前の暮らしに移る中、国政にも影響を及ぼす決戦の現場を報告する。
潮目を変えた県敗訴と「代執行」
「デニーさんは最後の砦。辺野古で毎日座り込みしながら応援しています」。7月、那覇市で開かれた玉城氏の集会。米軍普天間飛行場の移設先の名護市辺野古で抗議活動を続ける女性がエールを送った。他の支援者の声援には発言で応えた玉城氏だが、女性にはうなずいただけで言葉を返さなかった。
念頭には、3月に女子高校生ら2人が死亡した辺野古沖の船転覆事故がある。船は玉城氏を支援する移設反対団体が運航していた。矛先は移設反対を先導する玉城氏にも向けられ、SNS上は批判的な投稿であふれている。
玉城氏を支える「オール沖縄」は、翁長雄志氏(故人)が初当選した2014年の知事選で「反辺野古」を旗印に保守と革新が結集して生まれた政治勢力だ。翁長氏の後継の玉城氏は18、22年の知事選で自民系候補に圧勝した。
だが、23年に潮目が大きく変わった。移設海域の軟弱地盤改良の設計変更を巡る国との訴訟で県が敗訴。抵抗を続ける県に代わり国が設計変更を承認する「代執行」が行われた。県は再開した工事を止める手立てを失った。工事は着々と進み、軟弱地盤には約9500本の杭が打ち込まれた(7月末現在)。
反辺野古を前面に掲げず
反辺野古を前面に掲げてきた玉城氏は今回、七つの政策の柱から辺野古の文字を外した。オール沖縄の構成政党には推薦を求めず、支援にとどめた。陣営幹部は「反辺野古だけを押し出す戦略は現状とギャップがある。支援活動への風当たりも強い」と唇をかむ。



