高市早苗首相は2026年7月4日、「第37回日本ジュエリーベストドレッサー賞」の表彰式に出席し、金色の南洋真珠のパリュールを身につけて登壇した。「このジュエリーの輝きのように、多くの日本にいらっしゃる皆さんが『日本の未来は明るい』と思っていただけるように、一生懸命働いてまいります」と、クリスタルトロフィーを掲げて微笑んだ。しかし、その笑顔の裏で、政権内部から崩れ始めている現状が浮き彫りになっている。
重要人物2人の離反
高市政権の「内側」から崩れ始めたことを象徴するのが、元国家安全保障局長の谷内正太郎氏と、内閣官房参与の今井尚哉氏という2人の重要人物の動きだ。谷内氏は5月3日付の読売新聞インタビューで「首相の答弁は従来の安保体制の枠を外れた考え方ではなく、中国は過剰に反応して政治利用している面がある」と一定の同情を示しながらも、「今は情報戦や認知戦が盛んに行われており、国会での質疑応答を政治利用する勢力が内外にあることを前提とする配慮が必要だ」と、高市政権の情報管理の甘さに苦言を呈した。
今井尚哉氏の「反旗」
さらに衝撃的だったのは、『中央公論』2026年7月号に掲載された今井尚哉内閣官房参与のインタビューだ。タイトルは「ガソリン補助金を撤廃し、ナフサを確保せよ」と、高市首相の主張と真っ向から対立する内容だった。今井氏は第2次安倍政権で秘書官兼補佐官を務め、高市首相が官邸入りを要請したが叶わず、内閣官房参与に任命された経緯がある。本来なら高市首相が最も頼りにすべき人物だが、今年3月の訪米前、ホルムズ海峡への自衛隊艦船派遣に積極的だった高市首相を強くいさめたことで関係が悪化したと伝えられる。インタビューは5月12日に行われ、高市首相が「ナフサの供給に心配はない」と訴えていた時期と重なり、記事は「高市首相への意趣返し」とも受け取れる。
政権末期の「カラ元気」か
こうした内部分裂の兆候は、政権末期によく見られる「カラ元気」との見方を強めている。高市首相はジュエリー賞の場で輝く笑顔を見せたが、その言葉は自分自身を奮い立たせるためのものだったのかもしれない。政権の内側から信頼できる側近が離反し、政策面でも対立が表面化する中、今後の政権運営に黄信号が灯っている。



