整備新幹線の建設費負担、国・自治体・JRで合意形成を
整備新幹線の建設費負担、国・自治体・JRで合意形成を

整備新幹線の建設財源を巡る議論が新たな段階に入った。国と地方、JRでどう負担するのか。丁寧に合意形成を図っていくことが大切だ。

建設の仕組みと現状

整備新幹線の建設計画は1973年に策定された。北海道、北陸、九州、西九州、東北(盛岡―新青森)の五つの路線を指す。

国が線路や架線などの鉄道施設を建設・保有し、JR側から貸付料を受け取る仕組みだ。建設費には、この貸付料を充てた上で、残る費用は、国と沿線自治体が2対1の割合で負担する。

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JR4社は現在、年間約800億円の貸付料を支払い、うちJR東日本が約500億円を負う。

財源問題の焦点

北陸新幹線(高崎―長野)は、整備新幹線で最も早い97年10月に開業した。国土交通省が新たな財源の議論を進めているのは、貸付料を支払う30年間の期限を来年に迎えるためだ。

国交省は、国が保有する施設は国民が共有する財産であるのだから、貸付料を徴収し続けるべきだとして、30年程度延長する案を示した。また、物価動向などに合わせて、貸付料を増減させる仕組みも検討するという。

建設費などが高騰する中で、整備新幹線の建設を進めるために、JR側にも一層の負担を求める狙いがある。だが、JR東は延長に強く反発する。東日本管内の鉄道利用者にも影響が及ぶだろう。

北陸新幹線の延伸問題

国・自治体とJRの負担割合の見直しを進めるとなれば、整備新幹線の必要性を改めて検証し直すことが欠かせない。

特に整備新幹線で財源問題が難航しているのが北陸新幹線だ。

延伸ルートである福井県・敦賀―新大阪を巡って、自民党など与党の整備委員会は、福井県小浜市などを通って京都市のJR桂川駅近くに新駅を設ける「桂川案」を採用することを決めた。

しかし、課題は山積している。建設費はかつて2・1兆円と見込まれたが、国交省が6月に示した最新の試算では桂川案で約5・5兆円に膨らんだ。京都市などは負担に懸念を示している。協議が曲折を経ることは避けられない。

時代の変化と今後の議論

整備新幹線計画が策定されて50年余り。この間に交通体系は大きく変わった。高速道路の整備が進み地方空港の機能も強化された。コロナ禍を経てテレワークが普及するなど働き方の変化もある。

一方で人口減少が加速する地方の疲弊は深刻だ。巨額の建設費用に見合う便益をどのように得ていくのか。国民に開かれた議論を行っていくことが求められよう。

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