一戸町「東北一のレタス産地」10億円突破へ、中学生販売体験やGAP認証で奮闘
一戸町「東北一のレタス産地」10億円突破へ奮闘

岩手県一戸町奥中山地域の「奥中山高原レタス」が収穫の最盛期を迎えている。「東北一のレタスの産地」とされるこの地域では、販売額が16億円に上った時期もあったが、2015年度を最後に10億円を下回っている。町は「今年度こそ10億円突破」を目標に、様々な施策を進めている。

中学生が販売体験、ブランドへの愛着育む

7月、奥中山中学校3年の生徒8人が盛岡市のスーパー「ユニバース盛岡南」でレタスの販売を行った。生徒たちは前日にレタス100個を収穫。坂本晃乙君(14)は「農家の大変さを痛感した。生産者に感謝してレタスを食べたい」と話した。

町などは2024年から、地元中学生に栽培や販売の体験を通じて地域のブランドレタスへの愛着を持ってもらう取り組みを続けている。町の販売額は1993年度に約16億7000万円となり、東北一の座を確立。町産業建設部の山田晃さんは「昨年度、町の農業収入約15億円のうち、レタスの販売額は約半分を占める。レタスは地域経済における農業所得を支える重要な柱だ」と説明する。

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高齢化と高温、経費高騰が販売額を圧迫

JA新いわてによると、一戸町でレタス栽培が始まったのは1964年。東京五輪で洋食化が進み、需要拡大が見込まれたためだ。冷涼な気候で育つレタスは、標高300~800メートルのこの地域で栽培が広がった。

生産は拡大を続け、1993年度に「東北一のレタス産地」の地位を確立した。だが、生産者の高齢化や近年の高温で出荷量が減少し、昨年度の販売額は約7億8000万円となった。さらに、畑の畝を覆う石油製品のマルチシートや農業トラクター用の軽油などが高騰。レタス農家の中嶋徹さん(53)は「生産経費が2割近く上昇したのに、販売価格は5年ほど前からあまり変わらない」と吐露する。

認証取得と町長セールスで販路拡大へ

販売額10億円突破に向け、町とJAは様々な取り組みを始めている。その一つが国際規格の安全性証明で、JAは生産者に「グローバルGAP」の認証取得を促し、2026年5月現在で11農場が取得した。

さらに今年、小野寺美登町長による「トップセールス」にも乗り出した。6月には町長自ら中央卸売市場に出向き、「東北一の産地としての誇りが詰まった自信作」などとアピールした。

ブランドレタスの生産が始まって60年超。2015年度以来となる販売額10億円を目指し、町一丸となっての奮闘が続く。JAの古舘記由さんは「若手生産者の栽培技術向上の勉強会も予定している。一戸町を安定的にレタス栽培で稼げる町にしたい」と語る。

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