秋田の高校入試見直し「中長期的課題」と検証委素案 議論平行線のまま
秋田の高校入試見直し「中長期的課題」と検証委素案

秋田県教育委員会の検証委員会がまとめた報告書の素案で、焦点となっていた高校入試制度の見直しについて「中長期的な課題」と位置づけていることが、7月14日までに明らかになった。検証委は最終的なとりまとめを経て、7月末に報告書を公表する予定だ。

スポーツ人材の県外流出が発端

スポーツで実績のある中学生が県外の高校に進学する傾向が強まっていることを受け、県教委は昨年7月、スポーツと教育の関係者ら20人で検証委員会を発足。これまで5回にわたり会合を重ねてきた。議論の発端は、2023年度入試から従来の1月実施の自己推薦型「前期選抜」が、3月実施の「特色選抜」に代わったことだった。前期選抜は合格後の学習意欲維持が難しいとの指摘を受けて変更されたが、入試時期が遅くなったことで県外進学が増えたとの意見が出ていた。

素案の内容と知事の姿勢

素案では、入試制度改革について「受験生に甚大な影響を及ぼすため、検証委員会とは別に、厳密な検証が必要」とし、中長期的な課題とした。また、県外の私立高校による中学生への早期勧誘に対しては、県内公立高校の募集要項の公表時期を前倒しするよう検討を求めた。鈴木知事は昨年春の知事選で「高校入試制度の見直しによるスポーツ競技力の復活」を掲げ、先月の県総合教育会議でも特色選抜について「時期が後ろすぎるのは明確な事実。現状を変えなければ、子供たちに選ばれない。改善が必要だ」と制度改革に積極的な姿勢を示していた。

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議論は平行線、合意形成の難しさ

しかし、検証委での議論はまとまりに欠けた。委員によると、入試制度の見直しに前向きなスポーツ関係者と、「入試制度はすべての生徒に関わる。スポーツ環境とは別に検証を行うべきだ」と主張する教育関係者の間で議論は平行線となった。提言案の素案には「委員の立場や認識の違いから合意形成の難しさが浮き彫りとなった」とあり、議論が難航したことがうかがえる。

アンケート結果と委員の反応

検証委は県外に進学した高校生と保護者を対象にアンケートも実施したが、入試制度が進学先に「影響した」と答えたのは2~3割にとどまった。ある委員は「具体案がなく、提言はすぐに風化するだろう」と指摘。別の委員は「1年議論した成果がこれなのか」と困惑する。制度改革に向けた道筋はいまだ不透明なままだ。

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