長期金利の上昇が鮮明になっている。9月1日の東京債券市場で、新発10年物国債の流通利回りは終値で3%を超え、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を記録した。高市政権の「責任ある積極財政」による財政悪化への懸念や、日米の中央銀行による利上げ観測が金利を押し上げている。
30年ぶりの高水準、国債入札も不調
長期金利は1日、前日終値より0.065%高い3.005%に上昇した。財務省が同日実施した10年物国債入札もやや不調で、最高落札利回りは3.011%と約30年ぶりの高さとなった。金利上昇が続くとの見方から、銀行や生命保険会社など主要な買い手が買い控えているとみられる。
日銀の追加利上げ観測と財政懸念
市場では、日銀が9月に追加利上げし、その後も円安や物価高を抑えるため利上げを続けるとの見方が支配的だ。ベッセント米財務長官は8月31日、米CNBCのインタビューで「日本政府と日本銀行は円高につながる措置を取るだろう」と述べ、利上げ観測を強めた。
高市政権の積極財政への懸念も根強い。2027年度予算の概算要求では、一般会計の総額が143兆円前後と過去最大規模に上る見通しだ。食料品の消費税率引き下げの財源が明確でないことも投資家心理を悪化させている。
家計と企業への影響、首相のコメント
金利上昇は国債の利払い費増加につながる。27年度予算の概算要求では利払い費が16兆5888億円に上り、26年度当初予算の13兆371億円を上回った。住宅ローン金利の上昇を通じて家計の負担となり、企業の融資にも影響する。
高市首相は1日、「市場動向には具体的にコメントしない」としつつ、「必要な財政需要にも適切に対応し、強い経済と財政の持続可能性の両立を実現していく」と述べた。



