日銀内田副総裁の執念:異次元緩和の負の遺産と向き合う姿勢
日銀内田副総裁の執念:異次元緩和の負の遺産と向き合う

6月16日、日本銀行の内田眞一副総裁は、歴史的な利上げを決定した後の記者会見で質問に応じた。植田和男総裁が病欠の中、自ら代行を買って出た内田氏は、異次元緩和の「負の遺産」の処理から逃げない姿勢を明確に示した。

「関係ない」と逃げるかつての最高責任者

株価は史上最高値を更新し続けているが、金融市場には不穏なムードが漂う。1ドル=160円超の超円安は反転せず、長期金利は一時2.81%に達し、29年ぶりの高水準となった。この円安と日本国債の価格下落(金利上昇)は、「日本売り」の様相を呈している。その背景には、日銀の異次元緩和の「負の遺産」が重くのしかかっている。

黒田東彦前総裁時代に始まった異次元緩和は、空前の規模の国債購入、マイナス金利、長期金利コントロールという非伝統的な政策を総動員した異形の巨大緩和策だ。11年続けられたが、当初描いた「2%インフレ」の好循環経済は実現できなかった。その結果、日銀は2025年末時点で約503兆円の国債を保有し(全国債の約43%)、空前の規模の緩和マネーが市場に残っている。

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異次元緩和を始めた当事者であり最高責任者は黒田前総裁だが、彼は「関係ない」と逃げる姿勢を見せている。

内田氏は異次元緩和の事実上のプロデューサー

内田氏は、黒田総裁の下で異次元緩和の設計・実行に深く関与した事実上のプロデューサーだ。そのため、負の遺産の責任を痛感しており、処理に積極的に取り組む姿勢を見せる。一方、次期総裁候補として名前が挙がる若田部昌澄氏は、リフレ政策への回帰を掲げており、内田氏はこれに強い警戒感を抱いている。

内田氏は半年間に及ぶ白血病の療養から復帰し、植田総裁の病欠中に代行を務めた。2年後に迫る次期総裁レースでは劣勢とも言われるが、生え抜き候補として最後の意地を見せる可能性がある。

市場への影響と今後の展望

日銀の政策転換は、円安と国債下落という市場の不安定要因に対してどのような影響を与えるか。内田氏のリーダーシップが、異次元緩和の出口戦略を成功に導く鍵となる。市場関係者は、内田氏の今後の発言と行動に注目している。

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