岸田内閣の支持率が20%台に急落し、過去最低を更新したことが、複数の主要メディアの世論調査で明らかになった。特に物価高や経済政策への不満が支持率低迷の主因とみられ、今後の政権運営に黄信号が灯っている。
支持率急落の背景
朝日新聞社が実施した全国世論調査(2024年1月)によると、岸田内閣の支持率は前回調査から10ポイント以上下落し、20%を切る水準となった。不支持率は60%を超え、政権発足以降で最悪の数字を記録した。共同通信社の調査でも同様の傾向が確認され、支持率は21.3%と低迷している。
低下の最大要因は、物価高騰に対する政府の対応の遅れと、実質賃金の低下による生活苦である。総務省のデータによると、2023年の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比3.1%上昇した一方、実質賃金はマイナス2.5%と大幅に減少している。この乖離が国民の不満を招いている。
経済政策への不信感
岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の具体性の欠如も支持率低下に拍車をかけている。経済アナリストの田中一郎氏は「物価高対策としての給付金や減税は一時的な効果しかなく、構造的な賃上げにつながっていない」と指摘する。また、2023年12月に決定した2024年度予算案は過去最大の112兆円規模となったが、歳出の肥大化に対する批判も強まっている。
日経平均株価がバブル後最高値を更新するなど、金融市場は好調だが、実体経済との乖離が指摘されている。東京都内の中小企業経営者は「株高の恩恵は大企業や富裕層に限られ、中小企業には全く実感がない」と語る。
政治資金問題と国会対応
自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑も支持率低下に追い打ちをかけた。岸田首相は関係者の処分や再発防止策を打ち出したが、国民の納得は得られていない。立憲民主党などの野党は、国会で追及を強めており、与党の対応に批判が集まっている。
政治評論家の佐藤一郎氏は「岸田首相のリーダーシップの弱さが露呈している。早期の解散総選挙は極めて困難で、今後の政権運営は厳しさを増すだろう」と分析する。
今後の展望
岸田首相は支持率回復に向けて、2024年度予算案の早期成立や、新たな経済対策の策定を急ぐとみられる。しかし、専門家の間では「物価高と賃上げの好循環が実現しない限り、支持率の本格的な回復は見込めない」との見方が大勢だ。
今後の焦点は、2024年秋に予定される自民党総裁選と、それに伴う衆議院解散の可能性である。岸田首相が再選を目指すか、あるいは政権交代につながるのか、注目が集まる。



