日本保守党の百田尚樹代表は10日の記者会見で、広島、長崎への原爆投下を巡り、昨年と今年の平和祈念式典に参列した際の印象について、原爆を投下した主体が明確に語られていないことに違和感を示した。
式典で「上空で一発の原子爆弾が炸裂した」と表現されることについて「まるで自然災害のように扱っている。原爆は勝手に破裂しない。トルーマン米大統領が命じ、米軍兵士が実行した。主語がなければ、歴史の一番大事な所を覆ってしまう」と指摘した。
「核は最大の抑止兵器」
百田氏は会見で、広島、長崎の原爆犠牲者に哀悼の意を表し、「米国の罪を糾弾したいという思いはない」と述べた上で、原爆投下について「歴史的事実として、米軍が行った。これをわれわれ人類が誤ったとか、人類全体の罪だとか考えるのは大きな間違いだ」と強調した。
米国による広島、長崎への原爆投下後の81年間、核兵器が実戦使用されていないことにも触れ、「広島と長崎の惨状を世界の国が見て、これは恐ろしいものだと。核を持っても簡単には使えない。ここに人類の最低限の知恵があるのではないか。核は人類最強・最悪の兵器で、最大の抑止兵器でもある」との認識を示した。
「慰霊の日にふさわしくなく、あくまでも仮定の話」と断った上で、「1945年8月時点で日本軍が核兵器を持っていたら、米軍は広島と長崎にやすやすと原爆は使用できなかったと思う」とも述べた。
台湾代表への対応「非常に恥ずかしい」
百田氏は、9日の長崎市の平和祈念式典での台湾代表の扱いにも言及した。台湾代表を各国代表とは別の席に案内した長崎市の対応について、「恥ずかしいことだ。中国に対する忖度があって、台湾を一段下に下げてしまったということも、なきにしもあらずだ」との見方を示した。
会見に同席した北村晴男参院議員は、同市の対応について「台湾を侵略しようとする中国に忖度し、日本の親友である台湾を辱める。非常に恥ずかしいことだ」と非難した。
北村氏は、核抑止を巡っても「核を抑止力として使う世界の状態をなくさないといけない」との主張に対し、「そのこと自体は考え方の自由でいい。日本に言うより、まさに核を保有している中国、ロシア、北朝鮮などに厳しく毎回言ってほしい」としつつ、「日本人が絵空事で何を言っても変わらない。自分の国を侵略しようとしている国が核を保有している以上、核を持たなければならないと考えるリアリストが各国の首脳にいるのは当然だ」と指摘した。



