食料品消費税1%案に自民党内から異論噴出、財源議論先送りで大増税リスク
食料品消費税1%案に自民党内から異論、大増税リスク

高市首相が打ち出した食料品の消費税率を1%に引き下げる案に対し、自民党内から異論が相次いでいる。この案は財源の裏付けが不十分な上、2年後に税率を元の8%に戻す場合、実質的な大増税となり、政権にとって大きなリスクとなるとの懸念が広がっている。

食料品減税案の概要と背景

高市首相は、物価高騰対策の一環として、食料品の消費税率を現行の8%から1%に引き下げる案を提示した。この案は、7月上旬に決定される「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映され、秋の臨時国会で関連法案の成立を目指すとされている。しかし、この減税は2年間の時限措置であり、2029年春には税率を元の8%に戻すことが前提となっている。

自民党内からの反対論と慎重論

自民党内では、この案に対して複数の懸念が表明されている。第一に、財源問題である。消費税は現在、年金、医療、介護、子育ての社会保障財源として位置づけられており、税収の約4割は地方消費税や地方交付税として都道府県や市町村に配分されている。ある経済学者は「基幹税を確たる財源のあてもなく安易に変えることは慎重にすべきだ」と指摘する。

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第二に、減税の効果への疑問である。現在の政治・経済情勢により輸入品の価格が上昇しており、生産者はコストを販売価格に転嫁せざるを得ない状況にある。このため、消費税を引き下げても、十分な値下がりが期待できない可能性がある。

第三に、政治的なリスクである。自民党幹部は「いったん下げた税率を2年後の29年春に元に戻せるのか」と懸念を示す。高市首相の答弁通りに食料品の税率を8%に戻した場合、大増税となり、その後の国政選挙や地方選挙で自民党が大敗する可能性があると同幹部は指摘する。

政権の正念場と今後の日程

高市首相は、この減税案を骨太方針に反映させ、秋の臨時国会で成立させる道筋を描く。しかし、首相をめぐっては「中傷動画」や「サナエトークン」疑惑がくすぶり、野党側は29日以降、衆参両院での審議を拒否する構えを見せている。皇室典範改正案を含む重要法案の当初会期内での成立は困難な状況だ。

高市首相は7月1日から3日までインドを訪問し、ナレンドラ・モディ首相との首脳会談に臨む。自民党執行部は「今後の党内調整は首相の帰国後に先送りせざるを得ない」との認識で一致している。自民党長老は「これからの半月間が、政権の浮沈にも関わる最大の正念場だ」と述べており、高市首相の手腕が試される局面を迎えている。

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