イェール大学名誉教授の浜田宏一氏は、トランプ米大統領が貿易関税にこだわる理由について、その政治手法を「デマゴーグ」的と分析し、国際経済学の基本が国民の支持の謎を解く鍵になると指摘している。
二期目の極端な政策と司法の限界
2025年1月20日の就任以来、トランプ氏は予想外の政策を次々と打ち出している。浜田氏によれば、その手法は政策の意義を丁寧に説明するのではなく、国民を驚かせたり脅したりしながら関心を引きつけ、政治目標を達成しようとする「デマゴーグ」的なものだ。
二期目に入り、後世への評価を意識して常識的な政策に転じるという期待もあったが、裏切られた形だ。米国際開発局(USAID)の事実上の廃止、多様性政策の予算停止、ガザ地区の米国領有、イーロン・マスク氏率いる効率化省による財務省の監視など、極端な政策が続いている。
司法の抑制力の限界と支持の謎
司法の介入による抵抗もあるが、連邦最高裁の判事にはトランプ氏が指名した者も多く、司法の抑制力には限界がある。トランプ氏は自身の言葉の信憑性には無頓着だが、政敵への報復など、自ら掲げた目標の実現には余念がない。
ここで重要な疑問が生じる。なぜ米国国民は、彼の人柄や政策の行き着く先を理解しながらも、僅差とはいえ再びトランプ氏を選んだのか。浜田氏は、この質問に答えるのに国際経済学の基本が役立つと述べている。



