滋賀県甲良町の前町長給与減額訴訟、大津地裁が町に約1800万円支払い命令
滋賀県甲良町の前町長、野瀬喜久男さん(75)が、在任中に議員提案による条例改正で給与を不当に減額されたとして町に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大津地裁は3月27日、町に約1800万円の支払いを命じました。野瀬さんは約2700万円の賠償を求めていましたが、裁判所は一部を認める形となりました。
6回にわたる議員提案による給与減額
甲良町議会は2018年3月から野瀬さんが退任した2024年1月までの間に、町職員の不祥事などを理由として、町長の給与を引き下げる議員提案の条例改正案を計6回可決していました。これに対し、野瀬さんは「議会の権限を越えた行為であり、地方自治法違反にあたる」と主張して訴訟を提起していました。
判決理由「議会の裁量権の逸脱乱用」
池田聡介裁判長は判決理由の中で、首長自身の発議ではなく、一方的に議会が責任追及のために給与の減額を行うことが可能になれば、「首長と議会との権限の均衡が崩れ、地方公共団体の適正な運営に支障を及ぼす恐れが生じる」と指摘しました。
さらに、このような一方的な減額は地方自治法に許容されず、「議会の裁量権の逸脱乱用にあたる」と断じています。判決は、減額によって生じた未払い給与などの支払いを町に命じる内容となりました。
町側の対応と今後の展開
甲良町の寺本純二町長は判決を受けて、「判決書が送達され次第、その中身を精査し、必要な措置を行う」とのコメントを発表しました。町側は判決内容を詳細に検討した上で、対応を決定することになります。
この判決は、地方自治における首長と議会の権限バランスに関する重要な判断を示すものとして注目されています。議員提案による給与減額の是非が司法の場で争われたケースは稀であり、今後の同様の事例にも影響を与える可能性があります。
野瀬前町長は在任中、一連の給与減額措置に対して強い不服を表明してきました。今回の判決は、その主張の一部を認める形となりましたが、全額の賠償が認められなかった点については、今後の課題として残されています。



