大阪公立大学が、2029年9月の開設を目指し、秋入学の学士課程「College of Creative Studies(仮称)」を構想している。入学定員は50人で、留学生25人、日本人学生25人を想定。授業は原則英語で行う計画だ。同大学統括副学長の高橋哲也氏がその狙いを語った。
学士課程の国際化と大阪のまちの発展
高橋氏は新課程設置の狙いとして、まず学士課程における国際化の推進を挙げる。「本学の大学院には一定数の留学生がいますが、学士課程は日本語で行われる授業が多く、学士課程の留学生は在籍者数の約1%(2025年5月1日時点)とごく少数です。学士課程の国際化を進めるため、秋入学に対応した組織が必要だと考えました」
もう一つの狙いは、大阪城の東側に位置し、新キャンパス整備が進む森之宮地区を拠点に、大阪のまちの国際化にもつなげることだ。高橋氏は「地域の企業や行政とも連携し、大阪の公立大学ならではの取り組みにしていきたい」と語る。
「英語が得意な学生」だけではない
新課程は「英語エリート」限定ではなく、多様な背景を持つ学生を歓迎する。入学要件として英語力は問われるが、それ以上に「課題への関心や探究心」を重視するという。カリキュラムは自由度が高く、学生一人ひとりが自分の興味に応じて学びをデザインできる。50人50通りの学びを可能にする設計だ。
東大との違い:学士課程と実践知
東京大学が既に秋入学を導入しているのと一線を画す点として、大阪公立大は学士課程全体の国際化を目指す。東大の秋入学は主に大学院レベルだが、本学は学士課程から国際的な環境を提供する。また、「実践知」を重視し、地域社会や企業との連携を通じて、理論と実践を融合した教育を行う。
日本の大学に「学びの多様性」を
大阪公立大学は、大阪府立大学と大阪市立大学が2022年に統合して誕生した関西の名門校で、経済界からの信頼も厚い。これまでも学部融合の初年次ゼミナールや副専攻などを通じ、分野を超えて課題に向き合う「総合知」を育む教育に力を入れてきた。新課程はその延長線上にあり、日本の大学教育に新たな多様性をもたらすことが期待される。



