NHK夜ドラ「ラジオスター」で注目の臨時災害放送局とは?ラジオ普及の課題を解説
NHK夜ドラで注目の臨時災害放送局とは?ラジオ普及の課題

政治・経済・投資に関心が高まる中、NHK夜ドラ「ラジオスター」で注目される「臨時災害放送局」について解説する。ラジオへの関心は高まっているが、20代のラジオ保有率はわずか5.6%と、普及には課題が残る。

ラジオの重要性とスマホの限界

ラジオ番組はスマートフォンアプリでも聴取可能だ。しかし、災害時や有事の際にスマートフォンが使える保証はない。東日本大震災時、筆者がいた関東周辺でも携帯電話がつながらなかった。今後、「震災を知らない世代」が増える中で、ラジオの重要性を伝え、いかに普及させるかが大きな課題となっている。

AMラジオ廃止とFM移行の影響

東日本大震災で活躍したAMラジオだが、2026年3月には国内最大出力300キロワットのNHK第2放送が終了し、2028年までにNHK第1放送を除き原則廃止される。民放ではFMラジオへの移行が予定されている。FMラジオは周波数の特性上、AMラジオに比べてビルや山などの障害物に遮られやすく、都市部以外の地域での情報伝達手段に課題が残る。

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臨時災害放送局の役割

こうした中、NHKドラマ「ラジオスター」で取り上げられた「臨時災害放送局」が重要な役割を果たすと期待されている。これは地域密着で情報を伝える放送局であり、自治体が中心となって運営される。

臨時災害放送局とは

ドラマの舞台となった臨時災害放送局は、総務省の「臨時災害放送局 開設の手引き」によると、「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生した場合に、その被害の軽減に役立つよう、被災地の地方公共団体等が開設する臨時かつ一時の目的のためのFM放送局」と定義される。

市区町村などの地方自治体が国から放送免許を受けて運用する。法律上の最大出力は300ワットだが、送信機器のスペックの都合で実際には50ワットで送信する。県域FM局の1~10キロワット出力と比べると電波の届く距離は非常に短い。そのため、「ラジオスター」のように地域に密着した情報を詳細に発信できる。また防災無線と違い、豪雨や強風時でも聞き取りやすいという利点がある。

コミュニティFMとの違いと連携

臨時災害放送局は、現時点でコミュニティFM局がない自治体での活用が期待されている。コミュニティFMは法律で最大出力20ワットまで認められている放送局だ。すでにコミュニティ局が存在する自治体でも、臨時災害放送局の制度を利用して出力を50ワットに増力させ、放送地域を拡大できる場合もある。

これらの放送局の運営には技術者の確保が求められる。現在、コミュニティFMに必要な国家資格は第二級特殊無線技士に緩和され、2日間の講習などで取得可能だ。しかし、臨時災害放送局は第二級陸上特殊無線技士以上、通常の基幹放送局と同様の資格が必要となる。

ラジオ普及の課題と展望

若い世代のラジオ離れが進む中、災害時の情報伝達手段としてラジオの再評価が進んでいる。臨時災害放送局のような地域密着型の放送は、防災面だけでなく、地域コミュニティの結束を強める役割も期待される。今後の普及に向けて、資格取得のさらなる緩和や、スマートフォンとの連携強化などが求められる。

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