都道府県魅力度ランキングで1位が異なる理由、評価方法の違いを比較
都道府県魅力度ランキング1位が異なる理由を比較

都道府県の魅力度を巡り、2026年に発表された2つの調査で異なる結果が出た。ブランド総合研究所が10月3日に発表した「地域ブランド調査2026」では北海道が18年連続で1位となった一方、大東建託が10月7日に発表した「街の魅力度ランキング2026<都道府県版>」では神奈川県が1位となった。同じ都道府県の魅力度を評価する調査でありながら、なぜ結果が分かれたのか。両調査のランキングと評価方法を比較した。

北海道が18年連続1位、もう一方の調査では神奈川県が首位

ブランド総合研究所の「地域ブランド調査2026」では、北海道が18年連続で都道府県魅力度ランキングの1位となった。2位は京都府、3位は沖縄県、4位は東京都、5位は神奈川県だった。

一方、大東建託の「街の魅力度ランキング2026<都道府県版>」では、前年2位だった神奈川県が1位に浮上。2位は福岡県、3位は兵庫県、4位は京都府、5位は東京都となった。

両調査では1位の都道府県が異なるだけでなく、上位に入る顔ぶれにも違いが見られる。ブランド総合研究所で1位の北海道は、大東建託では9位となり、8位の差があった。一方、大東建託で1位の神奈川県は、ブランド総合研究所では5位で、4位の差が生じた。兵庫県はブランド総合研究所で12位だったのに対し、大東建託では3位となり、9位の差があった。福岡県もブランド総合研究所では7位、大東建託では2位と、5位の差が見られる。

同じ「魅力度」でも評価方法は大きく異なる

ブランド総合研究所の「地域ブランド調査2026」(調査実施時期:2026年6月23日~7月17日)は、全国の消費者3万1,666人の有効回答をもとに集計した調査だ。都道府県の魅力度は、対象地域をどの程度魅力的だと思うかを5段階で尋ね、「とても魅力的」「やや魅力的」と回答した人の割合を加重平均して算出している。

一方、大東建託の調査は、全国の20歳以上の男女18万1,267人を対象に実施した(調査実施時期:2026年2月10日~3月22日)。特徴は、実際にその都道府県に住む人の評価と、住んでいない人の評価を組み合わせていることだ。居住者評価には、住みここち、生活利便性、幸福度、住み続けたい意向など12項目を使用。非居住者評価には、地域との関わりや認知、居住意向、地域に対する評価など18項目を用いている。合計30項目の順位の平均をもとに総合順位を決定しており、単純な魅力度の印象だけではなく、生活環境や居住者の満足度も反映される仕組みとなっている。

「観光に行きたい都道府県」では北海道・京都府・沖縄県が上位3位

興味深いのは、大東建託が「魅力的だと思う」という設問を総合ランキングの算出に使用していないことだ。同社は、評価対象の都道府県について「魅力的だと思う」と回答することと、他の設問との関係を分析している。その結果、「観光に訪れたい」との相関係数は0.896、「仕事で訪れたい」との相関係数は0.810となり、いずれも強い相関関係が確認された。つまり、漠然と地域の魅力を尋ねた場合、観光や訪問先としての評価と近い結果になりやすいことが示されている。

大東建託はこうした特徴を踏まえ、「魅力的だと思う」という設問を総合順位の算出対象から外し、居住者・非居住者による30項目の評価を採用している。実際、大東建託の調査で「観光に訪れたいと思う」都道府県の順位を見ると、1位は北海道、2位は京都府、3位は沖縄県となっている。この上位3位は、ブランド総合研究所の魅力度ランキングと完全に一致する。

大東建託の調査では、北海道は「自然が豊か」「食べ物がおいしい」「景勝地や温泉が多い」でいずれも1位だった。京都府は「歴史的建造物・文化財が多い」で1位、沖縄県は「気候が良い」で1位となっている。

東京都は居住者評価1位なのに、総合では5位

大東建託の調査結果を見ると、評価方法による順位の違いがよく分かる。東京都は居住者評価で全国1位となったものの、非居住者評価では10位となり、総合順位は5位だった。同社によると、東京都は多くの項目で高い評価を得た一方、居住者評価では「静かさ治安」「物価家賃」、非居住者評価では「住みやすそう」「自然が豊か」「景勝地や温泉が多い」などの項目で評価が低かった。

これに対して、総合1位の神奈川県は居住者評価で4位、非居住者評価で1位となった。こうした結果からは、地域の魅力度を考える際、知名度や観光地としての印象だけでなく、生活環境や居住者の満足度を含めることで、評価が変わることが読み取れる。

埼玉県は44位と19位、両調査で最大25位の差

両調査の順位を比較すると、上位の都道府県だけでなく、中位から下位でも大きな違いが見られた。特に差が大きかったのは埼玉県だ。ブランド総合研究所の調査では44位だったのに対し、大東建託では19位となり、順位差は25位に達した。同様に、群馬県は45位と26位で19ランク、栃木県は39位と21位で18ランクの差があった。首都圏周辺の3県は、いずれも大東建託の調査のほうが高い順位となっている。

一方、長崎県はブランド総合研究所で8位だったのに対し、大東建託では24位となり、16ランクの差が生じた。こうした違いは、地域に対する印象を中心に評価する場合と、実際の居住満足度や生活環境などを含めて評価する場合とで、順位が変わる可能性を示している。ただし、個々の都道府県で順位差が生じた理由を特定するには、各評価項目の詳細な分析が必要だ。

47都道府県の魅力度ランキングを比較

ここまで見てきたように、2つの調査では、評価対象となる「魅力」の捉え方や集計方法が異なる。ブランド総合研究所は、地域そのものに対する魅力度を尋ねた回答をもとに順位を算出する。一方、大東建託は、居住者の満足度と非居住者による地域の評価など、30項目の順位を組み合わせて総合順位を決定している。

両調査の結果を比較すると、北海道や神奈川県のように首位が異なるだけでなく、埼玉県や長崎県などでも大きな順位差が見られた。47都道府県について、ブランド総合研究所の順位を基準に、大東建託の順位とその差を一覧にまとめた。なお、大東建託は41位以下の順位を公表していないため、該当する都道府県は「-」とした。また、順位差は異なる調査間の数値であり、前年からの順位の上昇・下降を示すものではない。

都道府県ごとの順位差は、北海道(ブランド総研1位、大東建託9位、差8)、京都府(2位、4位、差2)、沖縄県(3位、10位、差7)、東京都(4位、5位、差1)、神奈川県(5位、1位、差4)、大阪府(6位、6位、差0)、福岡県(7位、2位、差5)、長崎県(8位、24位、差16)、長野県(9位、13位、差4)、静岡県(10位、12位、差2)、宮城県(11位、14位、差3)、石川県(12位、16位、差4)、兵庫県(12位、3位、差9)、広島県(12位、15位、差3)、奈良県(15位、7位、差8)、熊本県(16位、18位、差2)、愛知県(17位、8位、差9)、青森県(18位、-)、千葉県(19位、11位、差8)、鹿児島県(20位、30位、差10)、富山県(21位、32位、差11)、新潟県(22位、34位、差12)、秋田県(23位、-)、宮崎県(24位、20位、差4)、香川県(25位、17位、差8)、大分県(26位、22位、差4)、和歌山県(27位、35位、差8)、福島県(28位、36位、差8)、高知県(28位、37位、差9)、三重県(30位、28位、差2)、岩手県(31位、-)、山梨県(32位、25位、差7)、山形県(33位、-)、福井県(34位、33位、差1)、愛媛県(35位、29位、差6)、岐阜県(36位、31位、差5)、滋賀県(37位、23位、差14)、島根県(38位、-)、栃木県(39位、21位、差18)、山口県(40位、38位、差2)、岡山県(41位、27位、差14)、鳥取県(42位、-)、徳島県(43位、-)、埼玉県(44位、19位、差25)、群馬県(45位、26位、差19)、茨城県(46位、40位、差6)、佐賀県(47位、39位、差8)となっている。

※ブランド総合研究所「地域ブランド調査2026」と大東建託「街の魅力度ランキング2026<都道府県版>」をもとに作成。順位差は両調査の順位の絶対差。「-」は大東建託の調査で順位が公表されていないことを示す。