京都市が物価高対策として市民1人あたり5千円分を支給する「京都ポイント」事業をめぐり、市が確保した予算が市民の2人に1人分しかないことが分かった。受け取りにマイナンバーカードが必要なことへの苦情も約1100件寄せられている。
予算は71万5千人分、申請は56万9千人
事業費として計上した約45億円のうち、事務経費を除いたポイントに充てる予算は35億7500万円。これは京都市の人口約143万人のちょうど半分、71万5千人分だ。マイナカードの取得者全員(約114万人)が申請すると、40万人以上足りなくなる計算だ。
市地域自治推進室の担当者は「仙台市で同様の事業を実施した際、市民の2人に1人しか受け取らなかった事例を参考にした」と説明する。財源は物価高対策として国が拠出した重点支援地方交付金で、今年度中に使い切る必要があり、余れば返還するのが原則のため、交付金を最大限活用できる支給額を検討したという。
8月だけで56万9千人、想定超えなら補正予算
市によると、8月だけで市民の約4割にあたる約56万9千人がポイントを受け取った。想定を超える申請があった場合、「独自財源で補正予算を組む」という。
一方、ポイント事業を始めた8月、市のコールセンターなどには約1100件の苦情や意見が寄せられた。「マイナカードの取得は任意のはずなのに、不公平だ」「物価高対策なのだから、広く市民の手元に届く方法を考えるべきだ」といった内容だ。京都市民のマイナカード保有率は8月末時点で79・5%。市民のおよそ2割、30万人弱の市民はポイントを受け取れない。
カード必須の背景と救済措置
市は今回、マイナカードをポイント支給の条件にした。カードに登録された「基本4情報」(氏名、住所、生年月日、性別)をもとに本人確認を行う。カードがない人への救済措置はない。
カードを必須とした背景には、現金給付に比べて支給事務が迅速で安く済むことのほかに、政令指定都市の中で最低のカード保有率があるという。国が2022年に実施した、カード取得者に最大2万円分のマイナポイントを付与した事業で次第に順位を下げ、23年5月以降は最下位が続いている。市は「取得の相談に訪れる市民が増えていると感じる。これを機にぜひ取得してほしい」という。
また、スマートフォンも必要だ。アプリをダウンロードしてポイントを受け取る。市は区役所などに支援窓口を設けている。マイナカードはあるがスマホがない人や、スマホがあってもNFC(近距離無線通信)機能がない人には、5千円相当の日用品や食料品、地元商店街で使える商品券を支給しており、8月だけで約1万1千人が受け取ったという。
市では、京都ポイント以外に、子ども1人につき5千円を支給する事業と、住民税非課税世帯に5千円を配る事業も行っている。両事業はマイナカードの有無は問わず、市民が登録・指定した口座に振り込んだという。



