米軍の迎撃ミサイル備蓄、3分の1に減少 イラン戦闘で消費、トランプ氏も不満
米軍の迎撃ミサイル備蓄、3分の1に イラン戦闘で消費

米国とイランの戦闘が始まって28日で半年が経過し、米軍では7月の攻撃の応酬激化を経て、迎撃に使うパトリオットミサイルの備蓄が約3分の1まで減ったとの推計が明らかになった。他の弾薬備蓄も減る中、トランプ政権は防衛関連企業に生産力向上を促すが、短期間での解決は難しい。

パトリオットの備蓄は約3分の1に減少

米戦略国際問題研究所(CSIS)のマーク・カンシアン上級顧問の推計によると、2月28日のイラン攻撃開始前に2330発あったパトリオット迎撃弾の備蓄は4月の停戦時点で1030発となった。6月に両国が戦闘終結に向けた覚書を交わした後、7月の交戦激化でさらに消費し、7月27日時点で759~827発になった。

高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」は納品を受けてやや回復しているものの、攻撃前の452発から234~278発となり、約4~5割減らしたという。

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使われた弾薬量をめぐっては、関係者の話として、パトリオットは攻撃前の約半分、THAADは8割近くだとするCNN報道もある。

代替品がほとんどない現状

カンシアン氏は取材に対し、パトリオットやTHAADには代替品がほとんどないと指摘。イラン側による湾岸諸国などへの攻撃では、米軍は「着弾しても危険度が低ければ迎撃を見送っているようだ」と話す。

米国がイスラエルとともに始めた攻撃の当初には、イランの防空網の射程外から精密弾を撃ち込む攻撃を集中的に実施した。そのため、攻撃に使う長距離ミサイルも消費し、巡航ミサイル・トマホークの備蓄は約3分の1を消費したとみられている。

トランプ政権の対応と課題

ワシントン・ポストなどは8月上旬、トランプ氏がこの問題でヘグセス国防長官に不満をぶつけたと伝えた。トランプ氏自身は6日、「特定の種類の弾薬は供給がほぼ無制限にあるが、やや逼迫(ひっぱく)しているものもある」と苦境を認めている。

米軍の調達や軍需産業に詳しいCSIS産業基盤センター所長のジェリー・マクギン氏は「トランプ政権は弾薬の問題を極めて深刻に捉えている」とみる。政権は民間の防衛関連企業が安心して生産設備の増設などに投資できるよう、長期契約を結ぶといった取り組みをイラン攻撃前から始めていた。それでも、実際の効果が表れるには数年単位の時間が見込まれる。

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