ロシアのプーチン大統領は13日、ロシアが不法占拠する北方領土の択捉(えとろふ)島を訪問し、水産加工場などを視察した。北方領土を事実上管轄する極東サハリン(樺太)州のリマレンコ知事とも現地で会談した。国営タス通信が伝えた。
就任後初の北方領土訪問
プーチン氏の北方領土訪問は2000年の大統領就任後で初めて。プーチン氏は北方領土の返還を求める日本の立場を無視し、ロシアによる実効支配を誇示した形だ。
プーチン氏は従来、対日関係を考慮し、北方領土訪問を控えているとの観測が出ていた。ただ、プーチン氏は22年2月のウクライナ侵略に伴い対露制裁を発動した日本を批判。24年1月に「必ず訪れる」と将来的な訪問を約束したほか、同年6月にも「ロシアが主権を持つ領土だ」と主張し、訪問に問題はないとの認識を示していた。
日本の返還要求を否定
プーチン氏は北方領土入りに先立つ12日にはサハリン州を訪問。北方領土問題について「第二次大戦の結果により生じた現実として国際文書で決着している」と述べ、日本の返還要求は不当だとする認識を示していた。
露指導部による北方領土訪問は過去にもあった。メドベージェフ露国家安全保障会議書記は大統領時代の2010年11月、旧ソ連を含めロシアの国家元首として初めて北方領土を訪問し、国後(くなしり)島に上陸。首相を務めていた12年と15年、19年にも北方領土を訪問した。21年にはミシュスチン首相が択捉島に上陸していた。
日露交渉は停滞
日露間では10年代後半、北方領土問題の解決を本質とする平和条約の締結交渉が活発化した。しかし、ロシアは米露対立や領土交渉に批判的な国内世論を背景に態度を硬化させ、20年の憲法改正で他国への領土割譲を原則禁止した。日露交渉が停滞する中、ロシアはウクライナ侵略に伴う制裁を理由に日本を「非友好国」に指定。交渉停止を一方的に表明した。



