トランプ氏、パリ協定離脱を正式通告 米国が地球温暖化対策に逆行
トランプ氏、パリ協定離脱を正式通告

米国は4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱することを国連に正式に通告した。トランプ大統領が2017年6月に離脱意向を表明してから約3年半を経て、協定が規定する最短の離脱手続きが完了した形だ。これにより、米国は世界で唯一、パリ協定に加盟しない主要排出国となる。

離脱の手続きと影響

パリ協定では、加盟国が離脱を表明してから1年間の待機期間を経て正式に離脱が成立する。トランプ氏は2017年6月1日に離脱を宣言したが、協定の規定により2019年11月4日まで離脱を正式に通告できず、その日から1年後の2020年11月4日に離脱が発効した。これにより、米国は協定の義務から解放されるが、同時に国際社会での信頼を失うこととなった。

パリ協定は2015年に採択され、地球の気温上昇を産業革命前比で2度未満に抑える目標を掲げる。米国は世界第2位の温室効果ガス排出国であり、その離脱は目標達成に深刻な打撃となる。国連気候変動枠組条約事務局は「米国の離脱は残念だが、協定の実施は続ける」と声明を発表した。

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バイデン氏の再加盟公約

一方、大統領選挙で勝利したジョー・バイデン氏は、就任初日にパリ協定に再加盟することを公約している。バイデン氏は「気候変動は人類の存亡に関わる脅威であり、米国は再びリーダーシップを発揮すべきだ」と述べている。専門家は、バイデン政権が発足すれば、再加盟手続きは30日以内に完了すると予測する。

しかし、再加盟後も米国が排出削減目標を達成できるかは不透明だ。トランプ政権下で環境規制が緩和され、石炭火力発電所の閉鎖が遅れるなど、排出量削減の進捗は鈍化している。国際エネルギー機関(IEA)のデータによれば、米国の二酸化炭素排出量は2019年に前年比2.8%減少したものの、これは主に天然ガスへの移行によるもので、政策的な成果ではない。

国際社会の反応

パリ協定離脱の正式通告に対し、欧州連合(EU)や日本など多くの国々が遺憾の意を表明した。フランスのマクロン大統領は「地球はトランプ氏の任期よりも長く続く。我々は協力を続ける」とツイートした。また、中国やインドはパリ協定の目標達成に向けた取り組みを継続する姿勢を示している。

気候変動に関する非政府組織(NGO)は「米国の離脱は地球温暖化対策に深刻な後退をもたらすが、同時に他の国々がリーダーシップを発揮する機会でもある」とコメントした。世界資源研究所(WRI)のアンドリュー・スティア所長は「米国の離脱は悲劇だが、パリ協定は死なない。世界は前進し続ける」と述べている。

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