ホルムズ海峡巡る米イランの支配権主張、国際法違反の懸念
ホルムズ海峡巡る米イランの支配権主張に懸念

エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡り、米国とイランが共に「守護者」の立場を主張する異例の事態となっている。国際法上、いかなる国にも国際海峡を支配する権限は存在せず、両国の一方的な主張は航行の自由を脅かし、世界経済に深刻な混乱をもたらす恐れがある。

米国の海上封鎖と通航料要求

トランプ米大統領は、イランの港を出入りする船舶を対象とした海上封鎖の再開を表明。さらに、ホルムズ海峡を航行する貨物船の安全確保の見返りとして、貨物価値の20%に相当する対価を徴収する方針を示した。この措置は、これまで米国が国際水路での通航料や手数料の徴収は許されないと主張してきた立場と矛盾する。専門家は「米国の要求は、イランが主張する『サービス料』の正当性を認めるに等しい」と指摘する。

イランの海峡封鎖宣言と原油価格への影響

これに先立ち、イランはホルムズ海峡の再封鎖を宣言し、いかなる船舶の通航も認めないと発表。これを受けて原油価格は約1か月ぶりの高値を記録し、世界のエネルギー市場に緊張が走った。イランのアラグチ外相は「米大統領はまったく正しい」と述べ、自国の立場を正当化した。

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国際海峡の通航料の前例

国際海峡での通航料徴収が完全に禁止されているわけではない。トルコは多国間条約に基づき、ボスポラス海峡を航行する船舶から灯台や海難救助などの費用を徴収している。しかし、ホルムズ海峡ではこれまで無料での航行が定着してきた。米イラン双方が勝手に通航料を課せば、他の海峡にも同様の動きが広がり、世界の物流に多大な悪影響を及ぼす可能性がある。

戦闘再開と停戦協議の危機

海峡問題に加え、米国とイランの間で戦闘が再開した。イランはホルムズ海峡を通る商船やカタール、ヨルダンなどの米軍関連施設を攻撃。米軍は報復としてイラン南部の軍事施設などを空爆した。両国は6月中旬、14項目の「覚書」に署名し、60日以内の戦闘終結を目指して協議を開始したが、現在は中断し、停戦は崩壊の危機にある。

中間選挙への影響と今後の展望

トランプ氏は停戦は「終わった」と述べ、「覚書」を軽視する姿勢を示した。戦闘が続き米国内でガソリン価格が高騰すれば、11月の中間選挙で与党・共和党に不利な影響を与える可能性がある。両国は自制し、早期に交渉を再開すべきである。

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