ミャンマー親軍政権、弾圧やめてこそ国際社会復帰可能に
ミャンマー親軍政権、弾圧やめてこそ復帰可能に

ミャンマーで4月に発足した親軍政権は、総選挙で信任を得たと主張し、周辺国との関係改善を進めている。しかし、拘束されている民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏の解放は実現せず、軍による民主派への弾圧も続いている。日本など国際社会は、親軍政権を無条件に受け入れるわけにはいかない。

周辺国訪問とASEANでの復帰模索

ミャンマーのミン・アウン・フライン大統領は6日からタイを公式訪問し、アヌティン首相と会談した。4月に大統領に就任して以降、インド、中国、ラオスに続く外国訪問となる。

タイは東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国だ。隣国ミャンマーから流入する難民問題などを巡り、親軍政権との対話に前向きな姿勢を示している。

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ミャンマーはASEAN加盟国だが、2021年に軍がクーデターを起こして以降、首脳級や閣僚級の会議から排除されてきた。

選挙の強行とスー・チー氏の処遇

軍は昨年12月から今年1月にかけ、民主派政党を排除して総選挙を強行し、その結果を踏まえて大統領を選出した。いずれも公正な選挙とはほど遠いが、軍は「民政移管」が実現したと主張し、国際社会への復帰を狙っている。

7月のASEAN非公式外相会議には、親軍政権の外相が初めて招かれた。11月には日米などが参加するASEAN関連首脳会議がフィリピンで行われる。親軍政権は大統領を出席させ、主要国との関係を正常化したいのだろう。

軍はクーデター後にスー・チー氏を刑務所に収監したが、最近、指定住居での軟禁に切り替えた。3日には赤十字国際委員会(ICRC)ミャンマー代表とスー・チー氏が面会したと発表した。

世界が注目するスー・チー氏の動静を限定的ながら公開することで、欧米の制裁解除などにつなげたい思惑があるとみられる。

暴力停止と国際社会の役割

しかしミャンマーでは軍が民主派や少数民族武装勢力への攻撃をやめず、民間人に多数の死傷者が出ている。ASEANは親軍政権に対し、暴力の停止が復帰の条件だと明確に示さねばならない。

欧米などの制裁をよそに、中国やロシアは親軍政権との関係を強めている。ミャンマーは東南アジアとインドを結ぶ要衝にあり、レアアース(希土類)など資源にも恵まれているためだ。

日本はASEANと連携して親軍政権に統治の改善を働きかけると同時に、弾圧や地震などの災害で苦しむ市民に対する人道支援などは積極的に進めるべきだ。

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