昨年秋以降、日中関係は冷え込んだ状態が続いている。中国政府による渡航注意喚起や日本産水産物をめぐる対立など、両国の緊張は容易に和らぐ気配を見せない。隣国・中国が描く世界戦略の行方に、これまで以上の関心が集まっている。
今回は、超大国・中国の覇権をめぐる動きを読み解く3本の記事を厳選した。米国の圧力が生む空白を埋める中国の影響力の実像、台湾侵攻を想定した新たな軍事動向、そして中国人観光客の消費行動の変化。それぞれをテーマ別に紹介する。
米国の「鞭」が生む空白に広がる中国の影響力
1本目は、日本工業大学大学院技術経営研究科教授の田中道昭氏による中国の世界戦略の分析だ。米国が関税や制裁という力を振るうたびに、その空白を静かに埋める中国の影響力。エネルギーや通信のインフラごと生活基盤を書き換えていく手法には、2500年前の古典「孫子」の思想が忠実に実装されているという。
田中氏は「米国が関税や制裁という『鞭』を振るうたびに、中国の影響力が静かに、しかし確実に強まっている。その背後には、2500年前に書かれた古典『孫子』の中核思想が、驚くほど忠実に実装されている」という。巧妙な戦略にひそむ致命的な弱点にも迫る内容だ。この記事は2026年2月10日に公開された。
潜水艦でも空母でもない「影の海軍」
2本目は、フリーライターの青葉やまと氏による台湾侵攻をめぐる中国の軍事動向についての記事だ。海外で注目されているのは、潜水艦でも空母でもなく、闇夜に集結する民間船の存在。一見して軍とは関連のない光景だが、有事に軍事転用できるよう設計を義務づけられた船が担う「影の海軍」の実像を、複数の専門家の見解とともに解説する。
ロイターや英紙は、民間船が砂浜に車両を降ろすこうした動きを、台湾侵攻を想定した新たな上陸能力の訓練と分析している。水面下で進む“影の海軍”の正体に迫る内容だ。この記事は2026年2月7日に公開された。
中国人観光客に広がる「消費ダウングレード」
3本目も青葉氏による記事で、中国人観光客の消費行動の変化を追う。中国メディアは、中国人観光客が減れば日本経済は打撃を受けると強調するが、実は世界各地で同じ現象が起きている。観光客は戻っても売上は伸びないという。
韓国では訪問客が回復しても免税店の売上は低迷。高級店を訪れる姿は減り、格安店が人気だという。海外メディアは中国客の「消費ダウングレード」に注目している。この記事は2026年1月29日に公開された。
変わりゆく中国から世界の行方を見通す
大国のうねりは、めぐりめぐって私たちの暮らしにも及ぶ。変わりゆく中国の姿は、これからの世界の行方を考える上で欠かせない視点となるだろう。



