2026年6月29日、中国商務省は新たな輸出規制リストを公表し、日本企業・団体20社を対象に加えた。政治・外交ジャーナリストの増田剛氏は「日本企業の品質と生産能力が、いまや世界の安全保障を支える戦略資産になっている」と指摘する。
三菱ブランドが世界で注目される理由
日本の伝統的資本「三菱」は、地政学・地経学の最前線で新たな重みを持つ。中国の習近平政権からは「狙い撃ち」にされ、サプライチェーンを標的とした経済的威圧に直面。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、三菱重工の軍需生産能力を「極めて高い水準にある」と絶賛し、パートナーとして熱烈なラブコールを送っている。
発端は高市首相の国会答弁
中国の露骨な対日圧力のきっかけは、2025年11月の高市早苗首相の国会答弁だ。首相は予算委員会で、台湾有事は「存立危機事態」になり得るとの見解を示した。中国側は猛反発し答弁撤回を要求したが、日本側が応じなかったため、2026年1月に日本向け軍民両用品の輸出規制強化に着手。その後、2月、6月と段階的に規制をエスカレートさせている。
中国は規制を「日本は新型の軍国主義に傾いている」という主張で正当化。6月29日の商務省報道官談話でも、日本の姿勢を批判し規制継続を示唆した。背景には、5月のフィリピンでの米比合同軍事演習における自衛隊の地対艦誘導弾発射や、米軍の中距離ミサイルシステム「タイフォン」の日本国内持ち込みへの警戒感があるとみられる。
中国は国連や二国間協議でも日本を念頭に軍国主義批判を繰り返し、自らの経済制裁を「地域の平和を守るための正当な対抗措置」と位置づけようとしている。
日本の防衛産業が持つ新たな価値
かつて「お荷物」と揶揄された日本の防衛産業が、今や世界の政治・軍事指導者から注目される理由は、その高い技術力にある。三菱グループのミサイルづくりの実績や、戦地での「至高の教科書」と称される品質が、ウクライナからの直接支援への高い壁を越える鍵となっている。



