【ソウル=藤原聖大】戦時中に日本に渡った元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)の遺族が日本製鉄(旧・新日鉄住金)に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、韓国大法院(最高裁)は12日午前、同社の上告を棄却した。同社に8000万ウォン(約900万円)の賠償を命じた高裁判決が確定した。
原告の主張と賠償の仕組み
原告側は元徴用工が1942年2~7月、岩手県内の製鉄所で労働者としての生活を強いられたと主張していた。原告には、韓国政府が2023年に発表した解決策に沿って、政府傘下の財団が賠償金相当額を支払う。
財団の資金不足
財団の業務報告によると、これまでに勝訴が確定した原告26人への支払いを終え、支払いを待つ原告は約40人に上るという。財団は、一斉に支払う方針だが、資金が約65億ウォン(約7億3000万円)不足しており、支払いのめどは立っていない。資金は企業などからの寄付で賄われている。
今後の見通し
地裁や高裁では同様の訴訟が複数続いており、支払いを待つ原告は増え続ける可能性が高い。



