イタリアのジョルジャ・メローニ首相は30日、アフリカ北端のスペイン海外領土セウタに移民数千人が不法に流入したことを受け、参加国間の国境検査が廃止された「シェンゲン圏」からスペインを除外するよう呼び掛けた。
前日にはイタリアのアントニオ・タヤーニ外相も同様の発言をしていた。
メローニ首相の声明
極右のメローニ氏はX(旧ツイッター)で、「われわれは関係機関を招集しており、これらの会議が終了次第、スペインとのシェンゲン協定の停止といった例外的措置を含め、行動を起こす準備ができている」と表明した。
メローニ氏は、セウタに殺到し不法入国する移民たちの映像について「衝撃的だ」と述べた。
子どもを含む移民の大半は、海を泳いで検問所を迂回してセウタに不法入国した。
セウタのスペイン当局がAFPに語ったところによると、海を泳いでセウタに不法入国しようとした移民少なくとも9人が死亡した。
タヤーニ外相の見解
メローニ氏は「イタリアは手をこまねいて見ているつもりはない」と宣言した。
これに先立ちタヤーニ氏はXに「私はスペインをシェンゲン圏から締め出すことに賛成だ」「非正規(不法)かつ無秩序な移民の流入は国家安全保障を危険にさらす」と投稿。
「セウタからの映像は、スペイン政府が50万人以上の非正規移民(不法移民)にスペイン、すなわち欧州の市民権を与えるとした決定がいかに深刻な間違いであり、人身売買を助長しているかを示している」と付け加えた。
スペイン側の反発
これに対しスペインのホセ・ルイス・アルバレス外相は、タヤーニ氏が政治目的で移民問題を利用していると批判。タヤーニ氏の発言は「パートナーかつ友人である国に対して不適切」であり、「われわれが期待するのは欧州の連帯であり、党派的なデマゴギーではない」と述べた。
シェンゲン圏は、加盟国間で域内の国境管理を撤廃し、人やモノが自由に移動できるようにするシステムで、欧州の29か国が加盟している。
なお、イタリアの極右マッテオ・サルビーニ副首相は、シェンゲン圏全体を一時停止するよう求めている。



