ホルムズ海峡は「神からの贈り物」、腰を据えて戦略練るイラン 覚書60日
ホルムズ海峡は「神からの贈り物」、腰を据えて戦略練るイラン

米国とイランによる戦闘終結に向けた覚書の合意から60日が過ぎた。イランにとって覚書は自分たちの主張を米国に認めさせた「成果文書」と言えた。だが実際には、期待していた経済的な見返りを得られていない。イランには、目先の利益よりも優先する狙いがあるからだ。

「覚書はイランの戦略的な勝利」

「覚書はイランの戦略的な勝利だ」。イラン国営プレスTVは、覚書が結ばれた翌日の6月18日、ウェブサイトにこんな論考記事を載せた。米国が目指したイランの体制転換や核開発計画の解体が戦闘を通じて実現しなかったと指摘し、イランの経済制裁の解除などが盛り込まれた覚書は「長期的な発展を促進する」とも期待した。

だが、覚書の内容はほとんど実行されず、最大の懸案だった核問題の交渉にも入れていない。イランにとって、ホルムズ海峡での「支配」の確立が譲れない最優先課題になっていることが背景にある。

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船舶攻撃21件、覚書の「軍事行動の即時終了」は有名無実化

覚書の締結後、英海事機関(UKMTO)が報告したホルムズ海峡周辺での船舶に対する攻撃は21件に上る。ほとんどが、イランによる攻撃とみられている。ホルムズ海峡周辺でのイランによる船舶への攻撃を受けて、米国がイランに反撃し、イランがさらに報復する展開が続いてきた。覚書の最初に書かれた「軍事行動の即時終了」は有名無実化した。

覚書では、イランがホルムズ海峡の安全航行に向けて取り組むと記されている。イランはそのため、4月に設定したイランに近い海峡北側の航路を通るように求めている。だが、覚書の締結後、オマーンが設定した南側航路で米軍が船の航行を支援していると反発している。

ホルムズ海峡は「神からの贈り物」

ホルムズ海峡は古代ペルシャ時代から重要な航路であり、イランはこの海峡を「神からの贈り物」と位置づけ、腰を据えて戦略を練っている。イランにとって、この海峡での支配権確立は国家の安全保障と経済的繁栄に直結する課題であり、短期的な利益よりも優先されるべきものとされている。

イラン南部バンダルアッバスでは2026年8月5日、人々がホルムズ海峡を望むビーチでの時間を過ごしていた。イラン学生通信提供=AP。

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