米国による原爆投下から81年を迎えた。米国とイスラエルによるイラン攻撃などで国際的な秩序が崩れるなか、世界で核兵器をめぐる危機が高まっている。核軍縮が後退し、核兵器を持つことで攻撃を思いとどまらせる「核抑止」に依存する流れが強まっている。
「終末時計」は残り85秒、過去最短
米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(原子力科学者会報)」は2026年1月、前年の世界情勢を振り返り、「世界は核リスクを当たり前のものとする状況へとさらに近づいた」と警告した。
同誌が毎年発表し、地球滅亡までを示す「終末時計」の残り時間は1月時点で85秒。1947年の開始以来、最も短くなった。
核リスクを高める世界の動き
核兵器の使用をちらつかせながらウクライナへの侵攻を続けるロシア、核保有国どうしであるインドとパキスタンの紛争、北朝鮮による核戦力の増強……。こうした前年の例を反映した終末時計の発表後、「核リスク」はさらに高まっている。
2月には、米国とロシアが戦略核弾頭数の上限を定めた「新戦略兵器削減条約(新START)」が失効した。米ロ間に唯一残っていた核軍縮条約だった。
核弾頭の備蓄、解体ペースを上回る可能性
欧州や太平洋などで核軍縮の動きは進まず、核弾頭の備蓄が解体ペースを上回る可能性も指摘されている。核抑止への依存が強まる中、国際社会の対応が問われている。



