ガザ地区の停戦を目指す交渉で、イスラム組織ハマスが新たな条件を提示したことが明らかになった。関係筋によると、ハマスはイスラエル軍の完全撤退と、ガザ地区の復興資金として数十億ドルの拠出を求めるなど、従来の立場をさらに強硬なものにしている。これにより、米国やエジプト、カタールが仲介する協議は停滞し、早期合意は困難な情勢となっている。
ハマスの新条件、イスラエルは拒否
ハマスは新たに、停戦の第1段階としてイスラエル軍がガザ地区全域から撤退し、その後、恒久的な停戦に向けた交渉を開始するよう要求。さらに、ガザ復興のための国際基金の設立と、それに対するイスラエルの拠出を求めた。イスラエル政府高官は「これらの条件は受け入れられない」と述べ、ハマスが非現実的な要求を突きつけていると批判した。
交渉に詳しいアナリストは「ハマスは停戦よりも、国際社会への政治的メッセージを優先している」と指摘。新条件には、イスラエルによるガザ封鎖の完全解除や、パレスチナ自治区への出入り自由化なども含まれており、イスラエルの安全保障上の懸念を無視した内容だとしている。
米国の仲介努力も実らず
米国はブリンケン国務長官が先週、中東を訪問し、関係国と協議を行ったが、進展は見られなかった。米国務省報道官は「双方が真剣に交渉に臨む必要がある」と述べ、ハマスに対して現実的な妥協を求めた。しかし、ハマスは「占領と侵略が続く限り、交渉は無意味だ」と反発している。
一方、イスラエル国内では、停戦交渉の遅れに不満が高まっている。人質家族の会は「政府は人質解放を最優先にすべきだ」と抗議活動を強化。ネタニヤフ首相は「ハマスの要求に屈すれば、イスラエルの安全が脅かされる」と述べ、強硬姿勢を崩していない。
人道危機は深刻化
この間、ガザ地区の人道状況は悪化の一途をたどっている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ガザ住民の約8割が避難を余儀なくされ、食料や水、医療品の不足が深刻だ。世界保健機関(WHO)は「ガザの医療システムは崩壊寸前」と警告している。
専門家は「停戦が実現しなければ、さらなる犠牲者が出ることは避けられない」とし、国際社会の仲介努力の強化を訴えている。しかし、ハマスとイスラエルの溝は深く、当面の合意は見通せない状況が続いている。



