欧州首脳がトランプ氏を持ち上げた背景、高市首相の緩衝役、G7の結束と中国問題
欧州首脳がトランプ氏を持ち上げた背景とG7の結束

フランス・ヴェルサイユ宮殿で行われたG7サミットでは、トランプ米大統領に対して欧州首脳が複雑な心境を持ちながらも結束を演出した。ウクライナ紛争が欧州にとって依然として大きな爆弾である中、首脳陣は「トランプ氏を説得するためには欧州側が対立していてはならない」との認識で一致。北大西洋条約機構(NATO)の米国が同盟国への相談なしにロシアのプーチン大統領と停戦交渉を進め、さらにイラン攻撃を予告なく実施したことへの不快感は根深いものの、感情を抑え込んだ。

トランプ氏への賛辞と舞台裏の緊張

サミット期間中、欧州首脳はトランプ氏が単独で進めた対イラン停戦交渉で停戦覚書合意に至ったことを称賛した。特にマクロン仏大統領は最終コミュニケの場で、イラン合意についてトランプ氏を3度にわたり賞賛。しかし、舞台裏では「トランプ氏に媚びすぎではないか」との質問にマクロン氏が激怒し、過去にトランプ氏の前でも明確に自らの考えを伝え信念を貫いてきたと反論した。結果的にトランプ氏は、ロシア制裁の強化とウクライナへの防空システム提供を約束。マクロン氏は「トランプ氏は約束を違える指導者ではない」と付け加えた。

G7の価値観と中国への対抗

欧州首脳は、米国のウクライナ支援復帰後の停戦行方や、米イラン協議第2段階の核開発計画協議には多くの不確定要素があると認める。気まぐれで政策転換の早いトランプ氏との付き合いは続くが、西側諸国の結束をつなぎとめるのは共有する価値観だ。ホワイトハウスの外交関係高官は「中国は世界のGDPの17%を占め、欧米と日本を合わせても50%を割り込む。多くの国が中国に経済的に擦り寄るが、中国の社会体制に共感する国は少ない。G7が共有する国家体制の価値観は多くの国を魅了し続けている」と述べ、G7の存在感の不変を強調した。

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AI規制と中国の台頭阻止

米中関係は一時ほど悪化していないが、現在G7に中国が招待される可能性はない。トランプ政権によるAI企業アンソロピック社のモデル「ミュトス」をめぐる強硬措置はG7協議を頓挫させなかった。西側諸国は、中国の台頭を阻止するため、最も高性能な人工知能モデルの抑制で協力すべきとの認識で一致。各国首脳と大手AI企業のCEOらは中国を共通の敵と位置づけた。中国型社会主義はG7加盟国に受け入れがたいことが改めて確認された。

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