米国のトランプ大統領が19日、年内に北朝鮮の金正恩総書記と会談したい考えを表明した。発言の経緯や関係者の証言から、トランプ氏個人の強い意向とみられ、十分な準備や計算を伴わない「思いつき」の側面もあると指摘されている。
トップダウン決定の懸念
第2次トランプ政権では政策決定のトップダウン傾向がさらに強まり、外交実務者の権限に大きな制約があるとされる。会談が実現した場合、トランプ氏の意向次第では、北朝鮮が望む核保有国としての地位を認めたり、制裁解除や連絡事務所の設置などに応じたりする懸念が強まっている。
トランプ氏は、米国とイランの戦闘終結に向けた最終合意を目指す60日間の交渉が期限を迎えた時期に、SNSなどで北朝鮮に活発に触れ始めた。米韓合同軍事演習の縮小を唱えたSNSでは、イラン攻撃をめぐる韓国の対応に不満を示した。
実務機能の崩壊
米国務省の元当局者A氏は「イラン問題がうまく片付かず、北朝鮮問題で失地回復を狙った可能性がきわめて高い」と語る。日韓両政府は米国から事前に、米朝首脳会談の実現をめざすことについて通報を受けていなかった模様だ。
A氏は「秋に首脳会談をやる場合、実務的な準備を終えるためにはギリギリのタイミングだ」と指摘。一方で「第2次トランプ政権では、米朝協議の実務を担う機能が崩壊している」とも語る。第1次政権時代、トランプ氏の「暴走」を防いだ実務陣は去ったとされる。



